新型コロナウィルス、COVID-19の勢力はまだまだ終わらないようです。私を含めた多くの人間の予想を遙かに上回っているように思います。楽観視していた東京2020オリ・パラ大会の開催も暗雲が立ちこめています。
そんな中、毎年4月(2019年度は4月18日)に実施されている全国学力テストの延期が発表されました。このまま病疫が続けば試験は実施できなくなることも考えなくてはなりません。学力判定試験が一回なくなったくらいで・・・と思われるかもしれませんが、これはちょっと厄介なことになるのではないでしょうか。
まず、試験実施に至るまでの影響として、多くの学校ではこの試験でより良い結果を出そうと対策授業を行ないます。先生によってはちょっとした試験テクニックのようなことも扱ったりするようです。それがなくなる影響は少なくないのではないかと思います。
この試験が学校の定期試験と異なることは作成者が学校の先生ではない点が大きく上げられます。つまり、通常の学校定期試験は『授業をきちんと聞いておく』『先生ごとの傾向(授業の癖など)を把握しておく』ことがそのまま試験対策になるのです。そうなると先生は・・・特に注意することもなく授業が出来ますよね!?
対して、全国学力テストは『いかに指導要領に沿っているか』が問われます。つまり、試験を受ける児童・生徒だけではなく、学校の先生も試験されるわけです。従って日頃の遺漏などを補うための授業(これが対策授業)が必要となるのです。今回はこのテストがないため、それらは行なう必要がなくなるのですね。
また、特に中学校ではこの試験結果を基に学習指導を行なうのが通例ですが、今回はそれが出来なくなることだってあり得るのです。従って2020年度の中3生は担任の先生の指導能力によって大きな差が出てしまう可能性が高いと言わざるを得ません。全国学力テストの結果にはそんなヒントがたくさん含まれているのです。
防疫のための全国一斉休校は理解します。その上で本来はどんな災害や病疫があっても子供の学ぶ権利は剥奪されてはいけないものです。しかし現状ではそれが叶っていないように思います。これは今後どのような形で補填するのでしょうか。早急な検討を要する課題なのではないでしょうか。
2019年年末に起こった病疫ですが、このまま行くと2021年度、2022年度の入試にも影響を及ぼすことになりそうです。長い目で見て適切な準備と対策を取る必要が出てきました。