中学入試は東京都が終わりつつあり、一段落を迎えようとしています。今年の私立中学受験生はいろいろな工夫をして受験を迎えた生徒さんがいました。ご本人曰く、苦手箇所が多かったので工夫で乗り切ろうと頑張った、これは自己分析がきっちりと出来ている証拠で素晴らしいことではないでしょうか。

その一つに記述問題対策がありました。一昔前の知識偏重型入試では短答形式の問題が大勢を占め、その出来不出来が入試結果を左右しましたが、近年の傾向では短答形式・記述式がバランス良く出来ていないとなかなか結果に結び付きません。『広く・浅い知識』から『広く・深い知識』にシフトしているのです。

中学受験の生徒さん、実は大手集団塾との併塾で当教室では点数の伸びなかった国語・社会のフォローを行ないました。結果的には国語・社会の点数が原動力となって入試に突破できた、と満足げでした。頑張ったよね。私も嬉しく思っています。

その生徒さん曰く、細かい方法は内緒にしておいて･･･とのことなので大まかなことだけをここに披瀝（ひれき：打ち明けること）します。なお、ここで述べることは全ての小中学生に当てはまるものではありません。あくまで塾という受験サポート機関がその生徒さんを診断して出したいわば『処方薬』であることを踏まえてお読み下さい。

一概に『国語と社会の記述が苦手』とのことですが、症状は全く違いました。それは原因が全く別のところにあったからでした。
国語の対策は定型文（大体800～1,200字ほど、主に説明文）を読んでそのあらすじを200字にまとめる訓練から行ないました。これは『どこが文章の骨子なのか』を判断して読む訓練となります。1日1課題、半年ほど行なううちに説明文読解そのものの力もググッとアップしていきました。

社会の対策は一問一答にあるような用語を説明することから始め、それらを関連づけて流れで理解できるように進めました。その際に役立ったのが、教室に掲示している『今日は何の日？』でした。秋深くなる頃には毎日そのファイルを送るようせがまれ、それらを何度も読み返しているうちに社会の記述は怖くなくなったと自信満々の笑顔で取り組んでいました。

その生徒さん、訳あって教室には2度しか来たことがありませんでした。その稀少な来校時、まじまじと見ていたのがその『今日は何の日？』でした。これは私が当教室に赴任した折に在籍していた生徒さんがあまりに社会への関心がなかったために10年前に作ったものです。毎年加筆して内容的にも自信があるものです。そう言ったものを『活かそう』『自分の力にしよう』と思う意志は素晴らしい姿勢だと思います。

これから先、当教室に縁があってここで頑張る生徒さんにもこれらを活かして取り組んで欲しいなと思っています。

 

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