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448 焦る気持ちは分かるけど…

448 焦る気持ちは分かるけど…

毎年寒さが増してくる時期、つまり受験直前になると繰り返し言うことがあります。それは『入試は難しい問題で点を稼ぐことより皆が得点する問題を絶対に落とさないことの方が断然大事なこと』ということです。どうしても入試が眼前にちらついてくると『隣の○○ちゃんはこんな難しい問題も平気で解いている。それに較べてワタシは…』となりがちですがそれは要らぬ焦りです。

超難問と言われるような問題、これは公立高校入試にはあまり重要ではないものです。なぜ必要ないのでしょうか? それは『公立入試の入試問題は全県統一の試験問題(つまりトップの生徒からビリの生徒までが受ける試験なのです)なので振り幅の広すぎる難問の出題には適していないので出題されにくい』からです。それに対して誰もが解けるような問題(正答率が過半数を超える問題)を落とすことは致命傷、それなら『解けるはずの問題を着実に得点する』ことの訓練の方がよっぽど重要です。

入試直前に超難問に挑むケース、特に数学で顕著に表われることが良くあります。また、一部の学習塾でもそのような問題ばかりを扱って『直前特別講座』などと称して授業を行なっていることを耳目にしますが…ワタシから見ればそれはただ単に塾によるスタンドプレイにしか思えません。ましてや超難問と言われる問題が『合否を分ける問題』になり得る訳がありません。

しかし、斯様な問題が全く出されないわけではありません。一時期の千葉県公立入試の数学、作図の問題が毎年数%の正答率となったことがありました。年度によっては1%に満たないことも珍しくありませんでした。これに対して学習塾業界の大先輩は『県千葉にトップ合格したい生徒以外には作図を捨てるよう指導した』とのこと。恐らくこれが正解なのだと思います。そして当教室でも作図で得点できずとも学区トップの高校に合格した生徒さんもいました。

もう一つ、超難問に時間を費やす無駄について付け足しておきます。入試問題の配点は入試事務処理の都合上、難易度に比例した傾斜がかかっていないことが多く見られます。つまり『こんなに難しい問題だったのにたったの5点?』がある反面、『こんな簡単な問題をミスっちゃった。それで3点引かれるの?』もあるのです。それらを踏まえるとどこでどう得点したら効率的かがお分かり頂けるのではないでしょうか。

繰り返しますが、一番大切なことは『取るべき問題は確実に得点化する』ことです。数学の計算問題、国語の漢字・言語系問題などはその代表格です。それらは日々磨き上げることが一番の近道です。その上で王道の対策を取ることこそが重要です。とは言ってもLS WILL独自の『この問題に注目!』『この解き方を身につけろ!』はあるのですが… それは教室の財産としてワタシと生徒さんの間で共有される秘密なので…