最近は学校で進路指導という言葉を使わなくなりました。『進路相談』と言うそうです。相談というと廊下で立ち話で・・・のようなイメージを持ってしまうのは私だけでしょうか・・・? 指導という言葉を使ってしまうと『先生から進路を(場合によっては意に沿わない進路を)押しつけられてしまう』というイメージを忌諱(きい;忌み嫌うこと)して学校現場では使わなくなったそうです。ウ~ン・・・
しかし、毎年行なわれる中3の三者面談は『進路を決める』面談にしてはあまりに事務的すぎるように思うのです。
先生 『キミの行きたい高校は?』
生徒 『県立○○高校です』
先生 『ウン、内申は足りているな。それで併願は?』
生徒 『私立の○○高校です』
先生 『こちらも内申は足りているな。よし、じゃあ頑張って!』
保護者『・・・ありがとうございました』
このやりとり、ホンモノの三者面談であったものです。お母様が呆れ顔で教えて下さいました。
LS WILLは学習塾の使命は学習指導だけではないと考えています。進路についての情報提供や助言も行ないます。場合によっては保護者様より承諾を得て、受験生と志望校の橋渡しを行なうこともあります。これは賛否両論あるところですが、それを行なうことによって生徒さんがより良い進路・より良い将来を手にできるのであればやるべきなのではないか、そう確信しています。
毎年12月15日を解禁日に(2019年度は15日が日曜のため、12月16日が解禁日)中学校と私立高校の『すり合わせ』が行なわれます。これは受験生が基準内申を満たしていれば合格内定を出す重要な折衝です。しかし、この席に慣れない中学の先生が立ち会うと大変なことになります。LS WILLはそのような事態を回避する意味でも事前に折衝を行ないます。前章では『外側にいる』と言いましたが・・・💦
この塾によるすり合わせ、さらっと述べていますが、中学校にとっては大きな問題なのです。なぜなら『事前にすり合わせている受験生とすり合わせていない受験生』では扱いが違ってしまうからです。同じ内申点なのに一方は○、他方は×ということだってあるのです。しかし、当事者となってみれば何としても○が欲しいわけですから綺麗事ではないと思うのです。私だって当教室の生徒は可愛い、これは紛れもない本音です。
ちょっとだけ脱線しますが・・・ すり合わせは全ての学習塾・進学塾がやっていることではありません。以前勤務した学習塾では『すり合わせは一切禁止』と指示されたところもありました。すり合わせを行なわないメリット・意味を会社に尋ねたところ、『時間外労働が発生するから』という理由で禁止していた、そんな『仕事効率の悪い』塾もあります。
話を戻しましょう。LS WILLでは受験校を決定する際、『この生徒さんはこの進路(高校や私立中学校)に馴染んでいけるのか、3年間・7年間(大学付属校)を過ごすに値する学校なのか』は入念に検討します。偏差値や模試の得点、内申点はその中の一要素に過ぎないからです。結果として、私からの提言で志望校を変える生徒さんが出ることは決して稀ではありません。
また、あってはならないことですが、2~3年に一人程度、どうしても『不本意進学』(志望する公立高校に合格できずに併願私立高校に進むこと)が出てしまいます。生徒さんはどうしても『公立高校第一、私立はどこだって・・・』と考えてしまいがちです。そんな状況でフタを開けたら・・・となった場合、万全な私立・第一志望と同等若しくはそれ以上の滑り止め(良くない言い方ですが・・・)を用意しておくことも塾の使命です。本来は『中学校の進路指導』でやるべき事だと思いますが・・・
不本意進学があると、その生徒さんが高校を卒業して希望進路を勝ち取るまでは私の中に何か小さなトゲが引っかかっているような感覚があります。しかし、それをお察し頂けるようで高校の先生方より熱い指導を受ける機会が多いそうです。結果として望外の(ある卒業生の言葉です)進路を勝ち得ることが出来た、と感慨深げに大学合格を報告してくれた卒業生もいました。
まぁ、そこまで見越していたわけではありません。しかし生徒さんに進路を指し示す際には最大限の努力を尽くして細心の注意を払い、最善の未来を示したいと考えています。
本章は少し饒舌(じょうぜつ;おしゃべり・口数が多いこと)が過ぎました。最後までお付き合い頂けましたこと、御礼申し上げます。