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433 最近の敬語 ~国語克服のコツは?~

433 最近の敬語 ~国語克服のコツは?~

最近の敬語、というにはあまりにも浸透しすぎていますが、日常使う敬語の誤用が小中学生に大きな影響を及ぼしています。本当に困ったモノです。それも子供たちも日常使うコンビニエンスストアやファミリーレストランで非常に多く見られます。

ファミレスで『こちら○○になります。』、イヤ『○○です』で良いのではないですか? コンビニで『お会計は○○円になります。』、イヤイヤ『○○円です』が正しい日本語です。そう言えば先日都内に行った折にコンビニを使ったのですが、その店は外国人留学生がレジを担当されていました。その方は正しく『合計で○○円です』と伝えてくれました。話を伺うとその方は日本語を学ぶために留学しているとのこと。ウ~ム・・・今後は国語も文法指導を本格化すべきなのかな・・・そんな淋しい気持ちになりました。

さて、愚痴はその位にして学習塾らしく勉強の話をしましょう。よく、算数数学や英語は勉強のしようがあるけど国語の勉強方法が解らないという声を聞きます。小学生だけではなく中学生まで、場合によっては高校生からそんな疑問を投げかけられることがあります。やり方が解らないから上記のような型にはめた日本語が跋扈(ばっこ;のさばる・幅を利かす。あまり良い意味では使いません)するようになるのではないでしょうか。

国語の勉強方法、実は算数数学や英語と形式的には変わりません。算数数学や英語と違うのは分類が非常に少ないこと、そして各単元の奥が途轍もなく深いことが上げられます。面談で『苦手な科目は?』と聞くと、『算数! 割合や平均みたいな文章題は解るけど、図形が解らなくなって・・・』というように明確な自己分析が出てくるのに国語は『何となく今回は・・・』のような自己評価となっているのです。それは国語の奥深さがまだ把握できていないために起こっている場合が殆どです。

国語の勉強方法は良く『読解力』を上げることが目立ちます。確かに読解力は必要ですが、これはいくつかの構成要素の中の一つです。これだけ磨けば・・・というものではありません。それでは他の構成要素は何でしょうか。そしてどうやってそれらを磨き上げれば良いのでしょうか。

まず、国語の出題を分類しましょう。第一に言語系問題です。これは知識系問題と言い換えても良いと思います。漢字や熟語、ことわざや故事成語、そして上記の敬語などが該当します。『知っていればそのまま得点・解らなければ考えても無理!』という問題です。知らない漢字は書けません。読めません。従ってこれは『事前準備が100%』なのです。ここはきちんと得点できるよう準備しましょう。

第二は読解系問題です。皆さんが苦労しているのは恐らくこのうちの分類だと思います。『解答解説書にはそう書いてあるけど、私は僕はそう読めなかったからこんな答になるんだ!』という意見を聞くことも良くありますが、国語は『問題文を自由に読んではいけない』科目なのです。だから形式に則って読み、形式に沿って答を出さなければなりません。本来の読書とは全く逆の形なのですが、これが現状の出題です。

読解系問題を細分化すると『指示語』『接続語』『段落』『キーワード』『文脈』『要旨』『場面』『行動』『心情』『表現』『主題』等に分けられます。読解問題は『どのカテゴリーで出題されているか』を読み解くことも大切です。『段落』の出題をしているのに『場面』の解法で解いていけば・・・当然違う答えが出てきます。それらは一定量の演習で見分ける目を養わなくてはなりません。

そして第三は記述系問題です。特に千葉県公立受験では最後の問題が作文となるケースをよく目にします。前期は通常12点、後期でも10点配点が普通です。非常に大きな配点であるにも関わらず、全く手を付けていない受験生の何と多いことか。書かずに不合格となれば大きな悔いを残すことになります。

記述問題の採点方法は『減点方式』が基本です。従って出題の指示通りに書かれていれば内容の可否に関わらず一定の得点を得られます。そこから誤字・誤った表現・論旨の食い違いなどで減点されても得られる得点は小さな点ではないのです。その問題に手を付けないって・・・ その原因は何でしょうか?

一つ言われているのは『時間管理』です。適正な時間が確保出来ない(これには『聞き取り問題の時間』も大きく関与していると言われています)のは知識系問題・読解問題の演習速度が足りないことに他なりません。これって・・・イヤイヤ、ここは非常に大きな分岐点です。この秘密は教室で実際に問題を解きながら習得して貰いましょう。

スペースの関係で今回は古文漢文・聞き取り問題は割愛しました。これらも含めてきちんとした筋道を立てて学習すれば国語の勉強方法で悩むこともないと思います。しつこいのですが『国語は感覚で解く』科目ではありません。科学的論拠に基づいて答を導き出す科目なのです。