2019年は暑い時期が台風と共にかき消され、いつの間にか冬模様といった様子でした。そんな時期に冬期講習の準備をしながら思ったこと・伝えたいことなどを書き連ねたいと思います。
今回は受験生向けの冬期講習について話を進めたいと思います。どうしても受験生と非受験生では話がかみ合いません。特に受験直前の時期になって開講される講習ですから重要さの度合いが格段なのです。
冬期講習の初段階は全範囲の完成です。学校で習うべき内容や教科書に載っている内容について一刻も早く仕上げなくてはなりません。学校では『3月までに』『卒業式までに』終わらせる予定になっている場合が殆どです。でも、それって『受験日』を過ぎていますよね!? それって意味なくないですか!?
従って11月頃までは学校の進度をある程度意識しながら進めていたもの(定期テスト対策、つまり内申対策上必要なことです)から一気に進めるようにシフトチェンジしなくてはなりません。例年この時期には教室での緊張感が一気に高まります。受験を迎える雰囲気も一気にヒートアップするのです。
中には学校進度対策などに関係なく授業を進める塾もありますが、そのようなケースでは必然的にクラス分け、それも細緻な学力分けがないと無理・無駄が多くなってしまいます。LS WILLではそれらの『無理・無駄』を排除するために一定期間まではある程度学校進度を確認しながらの授業進行を行なっています。
第二段階では総合問題へのチャレンジです。それまでは各単元ごとの学習で考える幅も狭くて済みました。例えば『今は関係代名詞をやっているからこの日本語文を英訳するには関係代名詞を使って・・・』として問題を解くことができましたが、総合問題となれば『これはどの文法を使えばいいの・・・?』から考えねばなりません。それだけに弱点が露呈しやすくもなるのです。
第三段階では総合問題演習に付随して行なうものですが、過去問演習があります。これは休日など丸一日を使える日に実際に行なわれる試験と同様のスタート時刻、試験時間として行なうと効果的なのではないでしょうか。問題を解ける・解けない、過去問で何点だったなどの考察以上に実際の時間感覚を養うことも必要です。
大体のケースではここで時間切れとなって入試に臨まねばなりませんが、可能な限りやろうとするなら最終段階があります。それが総合問題演習・過去問演習でえぐり出した弱点の補強です。解らなかった単元を補強することだけではなく、『数学で取るべき点が取れないから国語と社会で補おう』という工夫もこれに含まれます。なぜなら『入試は総合点判断』だからです。綺麗事ばかりも言っていられません。
受験生にとっての冬期講習は直前講習でもあります。それだけに苦しい時期となりますのでその全てを自力でやれたケースはあまり見たことがありません。そこは仲間や後輩たちの見えない励ましを受けて推進力にして欲しいと思っています。
講習運営は塾の技量が試される場面でもあります。そして講習を構成する要素には一つの遺漏さえ許されないものと思っています。だからこそ受験生諸君には己に厳しく立ち向かって欲しいと思っています。ガンバレ! 受験生!