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421 未解決命題

421 未解決命題

かなり前の話ですが、生徒さんから『センセー、これ、どうやって解いたら良い?』と質問を受けました。見るとそれは作図の問題でしたが・・・ 未だに作図法が証明されていない命題(角の三等分)を使わなくては解けない問題でした。話を聞いてみると『学校の先生にさ、これが解けたらとびきりのご褒美をくれるって言われたんだけど・・・』とのことでした。

数学では未だに解法が確立されていない命題があります。その代表的なものに『角の三等分』があります。その生徒さんにとって『二等分は簡単にできるのだから三等分だって簡単じゃない!?』という思いがあったに違いありません。しかし、そんな簡単なものさえ未だに解決していない、数学とは奥の深い学問です。

現在は科学技術、平たく言えばパソコンを使った数学が主流です。そんな技術を用いれば精巧な作図技術はさほど難しいことではないと思います。しかし、伝統的数学(紙とペン、定規とコンパスだけで問題を解く技術)は彼らに多くの関心を抱かせるに十分な魅力を持っているのではないでしょうか。

立方体倍積問題(プラトン(古代ギリシャの哲学者)の『デロス島の問題』として有名です)、円積問題(円と等しい面積を持つ正方形の作図)と共に『三大作図問題』としてあげられる『角の三等分』は今後語られることもなくなるのかな・・・と思っていた時期でした。ましてや『コンパスと定規だけでは解くことができない』と証明されてしまった問題ですから、挑戦することさえ無駄と思って挑戦者もいなくなるのではと考えていました。

でも、こうやって挑戦しようとする力があれば、もしかしたら解ける時代が来るかもしれない。そんな時代が来ればいいな、と思います。

しかし、そんな難題が解けても『ノーベル賞』を得ることはできないそうです。ノーベル賞に数学を顕彰する項目はありません。伝統的学問なのに・・・ その理由、一説によると若き日のアルフレッド・ノーベルが恋心を寄せていた女性がノーベルの元から数学者の元に行ってしまった(つまり『フラれた』と言うことです・・・)ため、と言われています。いかにも人間臭くて俗説と言われていますが検証も進んでおり、事実に近い俗説なのではないかと考えられています。

少し脱線しましたが、問題集の問題を解くだけでなく、歴史上多くの人が挑んだ難題に目を向けられることも素晴らしいと思います。