新聞で不登校の小・中・高生が16万5千人、過去最多を更新したことが報道されました。学校の先生にとっても難問のようで一向に改善の兆しが見られません。言ってしまえば学校の先生になるほどの人は学生時代だって良い生徒(何を持って『良い』というかは難しいところですが・・・)だったのは・・・ そうなると学校に行きたくないという気持ちを理解することは難しいのではないでしょうか。
カウンセラーの配置充実についても同様です。不登校の問題は関わる人数が増えるだけそのお子さんに掛かるプレッシャーは強まります。担任の先生・学年主任・教頭・校長、そしてカウンセラー・・・何だか『多人数を相手に相撲を取っている』、今風に言えば『多人数対一人(若しくは少数人数)のスクラム』を想起してしまいます。
学校以外の場所に原因のある不登校も上記の数字に含まれているので全てを学校で対処すべきとは思いません。しかし・・・全てではなくても大多数は学校が対処すべきではないかと思います。その対処方法が適正ではなかった(適正ではなかったから増え続けたのです)ことに着目すべきです。これを審議することは教職員・学校経営者にとって『触れられたくない痛み』です。しかし、そこに目をつぶっても解決しないところまで追い込まれています。
私自身、不登校になったお子さんを教室でお預かりしたことは何度もあります。周りからは『手が掛かるのでは』『問題を起こすのでは』のような声も聞きました。しかしそのようなことは全くありませんでした。強いて言うなら勉強が遅れていただけ、それは当たり前ですが・・・ 他の生徒さんと隔たりなく学習塾ライフを過ごして貰うことができたと思っています。
そのような生徒さんの中で卒業時に印象的な言葉を残してくれた先輩がいました。
『先生はさ、私に興味を持ってくれたよね!』
えっ、それって当たり前だよね!? 同じ教室で過ごした仲です。相手に興味を持つことは当たり前だと思いませんか?
『先生ほど根掘り葉掘りしつこく聞いてきた大人もいなかったよ。それでその話をしっかりと覚えていてくれたのは・・・ちょっと嬉しかったけどね。』『そんな話をするのが楽しいから塾だけは続けられたよ』って・・・
要するに信頼関係なのかな・・・そのように思いました。私は『この生徒さんは学校では○△で・・・』『この生徒さんは不登校だから・・・』と見ることはあまりないようです。教室の中でこうだった、だからこうしよう。そんな意識が強く働いています。道元禅師の説く『目の前のものをそのままに見よ!』ですね。それをその先輩は先入観なしに接した、と評価してくれたのではないでしょうか。
その生徒さんは結局中学2年の春先から中学3年までほぼ学校に行けませんでした。それでもその実情を理解してくれた高校(話を聞いてくれただけでもありがたいことです)に進学し、大学・社会人と人生を歩んでいます。今でも忘れかけていた頃にメールで近況を報告してくれます。
現状では不登校問題を解決できないのではないか、そのように思っています。いかにシステムを構築するかという時期はとっくに過ぎています。そして不登校児童・生徒はシステム構築を望んでいるのでしょうか? 私はそうではないと思っています。
ここからはCMです。LS WILLでは不登校の小中学生もお預かりしています。他の生徒さんと一緒の時間帯はイヤ、などのご要望にも極力対応していきたいと思います。その上で目指す将来像に向けて近づけるような方策のご提案も行っています。なお、必ずしも『学校復帰がゴールではない』ことは予めご了承下さい。