相撲の世界では一日稽古をやったからすぐに強くなるわけではない、そんな戒めも込めて表題のような言葉があるそうです。そうですよね、一日頑張ったからと言ってもすぐに技術が身に付くわけではない、筋力だって同じです。ましてや体格が大きくなるはずもありません。だから薄紙を敷く如く息の長い稽古が必要になるのですね。
これはどんなことだって言えることです。サッカーだって野球だって水泳だって…そして勉強だって同じことですよね。永続的・不断の取組みが必要なのです。極端なことを言えば『どれだけ長く続けられるか』で到達できる高さが変わってくるとも言えるのではないでしょうか。
でも…現実問題として『中学受験のために20歳まで取り組む』『高校受験のために30歳まで頑張る』というのはあり得ない話です。受験には『期限』があります。その日までに完成させなくては意味が少なくなって(全くないわけではないでしょうが…)しまいます。
それを最大限回避する手段は早めに着手することだと思うのです。私は事あるごとに『人生においてフライングスタートはない』と言っています。実はこの言葉、大学時代の恩師に教えて貰いました。早めに準備することでより万全の備えができる、準備期間が短ければ短いだけ不利になると事あるごとに言われました。
社会に出るとその言葉はなおさら身にしみます。仕事が上手く行かないとき、失敗してしまうときは大抵準備不足、もっと言えば準備期間不足が原因でした。そのことが分かったとき、早めに取り組む大切さを知ったのです。それを学生時代に習得できていたら…という後悔も携えて、ですが…
これは受験を終えて塾を卒業する先輩方から聞くことも良くあります。『もっと早く塾に入れば良かった』『中学1年の時に受験システムを知っていれば3年になってからこんなに慌てずに済んだのに…』などなど。後悔とも反省とも取れるようなメッセージを後輩に残してくれます。
それなら表題のように『三年後』を意識して今日一日を過ごすことも大切なのではないでしょうか。絶えず将来のこと・進路のことを意識しなさい、では息が詰まります。しかし、一日の中で10分、三年後の自分の姿を想像することも大切なことだと思います。
そんなことが活かせているのかな、と思うこともあります。LS WILLでも高校受験で超人的ながんばりを見せてくれる先輩方は少なくありません。でもそんな先輩方に限って高校卒業後の進路(大学・短大・専門学校・就職などなど)は万全の形で早々に決められるケースが目立ちます。先日(10月初旬)も『一番行きたい大学の指定校推薦が取れそうです』と報告に来てくれた先輩がいました。
その先輩との雑談の中で『あれほどガッツリやるのはもうこりごり。だから高校3年間は計画的に過ごせたよ。』と言ってくれた顔は自信に満ちていました。大学生活でも精一杯の日々を送ってくれると思います。