よく生徒さんが口にし、そして多くの生徒さんが心の中で思っていることに『もっと才能があれば…』という気持ちがあるそうです。よく学園ドラマでもあまり勉強が得意ではない生徒役の役者さんが『センセーにはボクみたいに才能がない人の苦しみは分らないよ!』などといったシーンも一つ二つ思い起こされます。
このことは幾度となく小欄で述べていることですが、小中学校で学ぶ内容に才能は必須ではない、私はこう考えています。『出来るようになりたい』と願う気持ちと正しい解き方、それらを繰り返し行う習慣だけあれば小中学校の勉強は最低限出来るようになるはずです。
中には何も教えずとも『目から鼻へ抜ける』ように易々と難問を解き進める生徒さん(しかし、こういった生徒さんの方が早い時期から塾に熱心に通う傾向にあります)もいない訳ではありません。しかしそれは良い意味でのレアケースです。恐らく学校の授業はそう言った生徒さん対象には授業計画を組んでいないはずです。大多数の生徒さんが分るように計画されたものが標準的な授業計画となっています。
しかし現実問題として巷間では『学校の授業が分っている児童・生徒は小学生で7割・中学生で5割・高校生では3割だ』とまことしやかに囁かれています。数値的なものはともかく、大袈裟ではない表現だと思っています。しかし、中学生で半数の生徒さんが授業を理解できていない理由は…
殆どの場合、単純な原因で『分らない』が発生していることに驚きます。中学生で『正負の数が分らない』、こんな生徒さんの学習を見ると『分数・小数の計算が完成していない』、つまりそれらを補完すれば学校の授業にきちんと追いつける。『国語の文章読解に時間がかかり、内容理解が出来ていない』、そんな生徒さんの『理解できない原因』を探ったら『必要な語彙数が全く足りていなかった』『漢字も殆ど読めていなかった』ようなケースもありました。
実はこのような事例、非常に多く見られるのです。決して稀な話ではありません。そんな生徒さんを見るごとに『キミは本当に辛かったね』『ご家族も本当に心配してくれたよね』『大変だったね』と思ってしまいます。
『親が勉強のつまずきを見つけてあげられれば…』とのご意見を頂くこともあります。しかしそれは現実的ではありません。それが可能であれば恐らく『学校のセンセー』もそこに気付けるはずですから… 多くの場合、学校でもその点を見落とされて(もしくは見過ごして)いるのです。
仮に気付いていたとしても我々が小学生の頃のように『居残り』はさせにくいご時世です。そうなると見て見ぬ振りも致し方ないと思うのです。
ウ~ン… 少し熱くなりすぎました。しかしこれが私の口癖である『塾は必要悪』という根拠です。でも自分の弱点がきちんと見抜けてその攻略法が分ったらキミはこの先勉強で辛い思いをすることは激減するはずです。だからキミの将来を『どうせ才能ないから』などという気持ちで狭めないで欲しいと思っています。