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382 得られるものは…?

382 得られるものは…?

以前、受験生のお子さんを持つ友達(と言っても遙かに年上の先輩だったのですが…)に『受験勉強を頑張ることで得られることって何なのかな?』と聞かれたことがあります。話を聞くとお子さんは大学受験の勉強になかなか実が入らず、それを見た妹さん(こちらは高校受験生でした)も右へ倣えとばかりに…

その友達は『子供は昔から何かのご褒美に対して頑張る癖があって、それが見当たらないと言っているんだ』とのこと。志望校合格、立派なご褒美だと思うのですがそれは彼にとって魅力的なものではなかったようです。

受験、という話から少し離れてみましょう。私の立場で言うのはいかがなものかと思いますが、学校の勉強から得られるものなど限りがあります。それは事実です。教科書1冊200ページ余、そこに人生が詰まっているなどとは考えたこともありません。得られるものの量で言えば上質な学小説の方が遙かに多いのも事実だと思います。

また、よく言われることですが、『二次関数なんて社会に出たら何の役にも立たない。』これもある意味事実だと思います。二次関数が解らないから人生が豊かにならないとは思いません。それなら何故このようなものを強いられるのでしょうか。

以下は私なりの解答です。少し長くてまとまりませんがご勘弁下さい。

勉強は大人になってからの仕事と置き換えられます。勉強は才能を要求されるスポーツや芸術と違ってコツコツと取り組むことこそが成功への近道です。仕事と一緒です。勿論、勉強にもちょっとしたコツや工夫は求められますがそれは枝葉のことです。つまり、コツコツと取り組むことを数学や英語といった題材から学ぶことこそが勉強の本質なのではないかと思います。

以前、都市銀行の採用担当者に『なぜ有名大学出身者だけを採用するのか?』と聞いたことがあります。その方は『有名大学の看板学部出身者はいずれもコツコツと勉強してきた。つまりコツコツとやればいずれは成功することを知っているからだ。』と答えてくれました。『大学で文学を勉強しようが宇宙工学を勉強しようが関係ない。我々が評価するのは《他の人より頑張った》という一点だけだ。』と教えて下さいました。

そう言う意味では受験勉強を頑張ることによって志望校合格というものの他に『コツコツと頑張る習慣』というご褒美も手に入るのではないかと思います。

『えっ…その程度のもの?』と思った小中学生・高校生の皆さん、これは大人になってからでは決して手に入らないものです。そして身につけられればこれほど強力な武器は…実はありません。是非とも身につけてみて下さい。キミの一生は変えられますよ!