学校に持って行くノートや塾で使うノート、様々なノートを見る機会があります。以前在籍したN中学高校に通う生徒さんのノートに大学の後輩がサインしたものを発見し、その先生に『生徒さんのノートにするサインはもう少し丁寧に書いた方が良い』と助言し、後輩(N中学高校の先生)をギクッとさせたこともありました。
ノートは生徒さんそれぞれの個性がくっきりと表われます。真面目にきれいにまとめる生徒さん、字はきれいではないものの一生懸命やったのが分かる生徒さん、ちょっと勉強に意識が向けられずにうわの空でノート作りをしてしまった生徒さんなどなど。
ノート作りで大切なことはどんな点でしょうか。中には『ノートをカラフルなペンやシールで彩っている』生徒さんも多く見受けられます。多くは女の子に見られるのですが、これは学校の先生受けもよく、提出時には評価の高いノートになりがちですが、学習効率の面から見ると殆ど期待できません。ノート作りの殆どが『作業』となってしまうからです。
反対に殆ど色ペンを使わずに淡々と書き連ねられたノートもあります。こちらは男の子に多く見られるパターンです。○付けだけ赤ペンで他は黒一色、と言うノートも珍しくありません。学習効率としてはある程度効果が見られますが、問題点もあります。あまりに色を使わないので『見直した時にどこが重要ポイントか解らない』ようになることがあります。やはり必要箇所には目立つように色ペンを使った方が良いのではないでしょうか。
色ペンの配置は多すぎても少なすぎても効果が下がってしまいます。色数にしても同様です。その微妙な加減が難しいのですが、これは習得できれば大きな財産になるのではないでしょうか。この技法はテキストや参考書の解説箇所や問題集の解答解説欄をチェックする時にも応用が利きます。できれば中学校卒業までには身につけたい勉強技術です。
ノートで問題を解く際に気をつけたいこともいくつか挙げましょう。まず、真面目な生徒さんほど陥りがちなことなのですが… ノートには一定の空白地域を必ず作ることが重要です。例えば計算問題を解いた時、びっしりと余白なく計算してしまうと間違えた時に訂正が書き込めません。その結果、『正しい答だけを書く』しかできなくなってしまうのです。余白があれば経過式を書くことも間違えた箇所を直すことも可能です。それが集積されれば『私はボクはこんなところで間違えやすい』と貴重なデータを得ることも可能となります。
真面目な生徒さんほど『ノートが勿体ないから詰めて書こう』という意識が働くようです。しかしそれでは学習効果が上げにくくなってしまうのは皮肉なことです。当教室の小学生も『ノートはあまり詰めて書かないでね』と事あるごとに話しています。面白いことにこれが習慣として実施できるようになると計算力・漢字力が安定する、そんな時期が一致するのも興味深いことです。