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372 求められる人材

372 求められる人材

年々求人の状況が変わり、就職協定もなくなりつつある昨今です。協定日前後は当教室や過去に携わっていた教室の卒業生から就職の相談を受けることも少なくありません。これは私自身が教育産業とは全く別の業種で働いていた経験が生きる数少ないところです。

先輩方の意見を聞いていると甘えていると感じることが少なくありません。しかしそれはその先輩の本質ではなく、社会が、結局は学校教育というシステムが甘やかしたと言っても良いのでは…そんな風に思います。

以前にちょっと話題となった小学生ユーチューバー学校には行かないと宣言していましたが、そのきっかけは『宿題をやりたくない』、ウ~ン…どうなのでしょうか。ユーチューバーで生きていけるのであればそれはそれでいいと思います。しかし組織人として会社に勤めることになったらどうするのか疑問です。

会社から任された課題を期日までに完成させる、これは学校の宿題のようなシステムですが、よくあることだと思うのです。また、決まった時刻までに出勤する、男性はネクタイ着用・女性はスーツなどのドレスコードがある、上司・上長の指示を守る、など多くの会社には就業規則という決まりがあります。それらは遵守しなければなりません。これって何かに似ていませんか? そうです、学校に似ています。実は学校が会社の真似をしているのですが… 学校は社会に出る準備、それはこんなところにも反映されているのです。

フレックスタイムをやっている会社もあるし、そもそも出勤しなくてもいい会社だってある』、『ノーネクタイの会社だってあるし、夏はクールビズでネクタイを外す会社もある』、うん、それは確かに存在します。しかし、それは社会においてどれだけの割合ですか? そのあまりに些少な割合に対して準備するというのはあまりに乱暴な準備だと思うのです。ちなみにクールビズを推奨している会社でも社外で顧客と商談する時は87%が、社内でも接客時には6割を超える割合でネクタイを締めるように義務づけている or 慣習化しているそうです。そうなるとあまり意味がないようにも思いますが…

現在、日本の国際競争力は下落の一途です。それは日本の教育が衰退していることを意味します。そうなったとき、企業はどのような人材が欲しいのか…そう考えれば就職活動の柱が一つ立つのではないでしょうか。

今回は少し観点を変えたところで意見を述べました。これも『勉強する意味』だと思うのです。