本章は前章に続いて入会しない学習カウンセリングを受けた方のエピソードです。
これは当教室からちょっと離れた地域(自転車で通えなくもないが…と言う地域でした)からのお申し出でした。諸々の事情で塾には通えませんが…と言う話でした。
この生徒さんは一番上のお子さんで、尚且つ中学3年生、受験生でした。学校で行っている進路指導では不安、そんな話を耳にする度に何とか自力で情報を集めないと、と焦っていたところだったそうです。学校の進路指導(最近は『進路相談』と言うそうですが…))がアテにならないのは怪しからんことではありますが、中3生ともなれば綺麗事を言ってもいられない、そんな心境だったに違いありません。
このカウンセリングでは主に『今日から受験までのスケジュールの立て方』についてお伝えしました。どうしても学校のペースで学習を進めてしまうと『教科書内容が終わるのは入試も終わった卒業式の前日』となってしまうからです。総合問題・過去問をやり、弱点補強をする時間を考えると年内にはある程度終えられるようなスケジュールを立てるよう助言しました。
スケジュールについては学校進度をきちんと押さえれば良いと思っていたようでショックを受けていました。しかしこれが夏休み前だから間に合ったのです。夏休みが明けてしまえばショックだけではなく、ダメージも受けなくてはなりません。早めに手が打てたから回避できたことは幸いだったと思います。
その上でこれからの受験まで当教室でできる限りのサポートは約束しました。しかし出来ることと出来ないことをきちんと説明しました。例えば『学校情報の提供や受験トレンドについての説明』は出来ることですが、『当教室の生徒として入試の後押しをする』ことはできないとお伝えしました。当教室の生徒として、としてしまうと当教室を信頼して下さっている学校の入試担当先生方から頂いている信頼に対して嘘をつき、裏切ってしまうことになるからです。このことはくどいくらいに説明し、ご納得頂きました。
教室を退出される際、お母様より『最近は本当に変わりましたね。素人考えではできなくなりましたね。』とのお言葉には申し訳なく頭が下がりました。本来高校受験は公立中学校に通う全ての中3生が受験するもの、分かりやすいものでなくてはなりません。昨今はそれが機能していないと痛切に感じました。
予定終了時刻を大幅に過ぎてしまい、私の長話癖を反省しました。その中で少しでも得て貰えるものがあればと思います。