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370 入会しない学習カウンセリング ~その1~

370 入会しない学習カウンセリング ~その1~

本題は本章・次章に分けて2つのお話を紹介致します。なお、本章・次章で紹介する話はご当人方より了承を得ておりますので予めご了承願います。

当教室のシステムとして『入会を前提としない学習カウンセリング』があります。これは『カウンセリングは塾に入ることを前提で行う』という世間評価に対する一種のアンチテーゼ(ある理論・主張を否定するために示される反対の理論や主張)でもありますが、お世話になっている地域に少しでも…と言う思いも込めて行っています。

どうしても季節講習前になると入会や講習受講のお申し出を頂く機会も多くなりますが、その中で教室の近隣ではない地域からのお問い合せを頂きました。案の定、入会できないけど…と言うカウンセリング希望でした。当サイトをご覧頂いてお問合せ下さったそうです。地元の塾ではなく遠い塾である当教室にお声がけ頂いたことは非常に光栄なこと、私は喜んで承りました。しかしお話を伺うと近場の塾で誰か知っている人がいたら…と言う気持ちも理解できるような内容でした。

ご指定頂いたのは6月初旬の日曜日、ご両親とご本人で揃って来校されました。少し複雑な事情があるため、詳細は割愛しますが、イジメが元で不登校になってしまったそうです。学校に行けなくなってもうすぐ半年になる、そんな時期に当教室まで足を伸ばしてくれました。

ご両親はどこに相談して良いのかさえも分からずにただ静観していたそうですが、今回意を決して行動を起こされたそうです。当教室としては『サポート校』『フリースクール』なども紹介しつつ、ご両親にお持ち頂きたい心構えなどについてもお伝えしました。どうしてもネガティヴな話題なのでオロオロしがちで周りにも相談しにくいことです。そこでもどんと構えてご本人には動揺を見せぬような努力をすべきとお伝えしました。

不登校は時期が来れば『時間薬』によって改善されることがあります。その時に困らぬよう最低限の勉強はしておくと良い、そんな助言をご本人に伝えました。勉強が解らなかったら…?と不安を漏らしていたのでその時には頼って欲しいとも伝えました。郵便のみの通信添削だった時代と違い、今はPCの接続環境や携帯電話があれば何とかなるものです。

教室を退出される際、ご両親は深々と頭を下げて下さいました。ご本人の真っ直ぐに澄んだ眼差しが印象的でした。