当教室を卒業して高校に進み、大学受験を目指す先輩が教室まで遊びに来てくれた日の話です。この先輩は善戦及ばず第一志望ではない高校に進みました。先輩曰く『大学こそは第一志望に行くよ。』と鼻息荒く大学受験に臨む気持ちを熱く語ってくれました。
話の中で進学した高校の話になりました。私立高校の選抜クラスに籍を置いていたのですが、その先輩曰く、『ナゼこの高校を受験したのかな?』とのことでした。実は私の方がその経緯をよく覚えていたのですが… 要はその先輩、第一志望の高校以外、他の学校には目が向けられない状態でした。
『でもさ、今通っている高校が結局は自分に一番合った学校だったと思う。第一志望だったところに行っていたら今みたいに頑張れているかどうか疑問だよね。』この話の裏にはこの先輩より更にちょっと上の先輩で第一志望進学が叶わず、私立第一志望の高校から日本屈指の大学に進んだ先輩の成功事例も頭にあったようです。『自分も先輩のように…』と思えることを心強く思います。
学校と違い、塾は受験やその結果にフォーカスして運営します。従って『第一志望が叶わない』ことはまさに断腸の思いです。しかし、第一志望に入ってからの燃え尽き症候群もあってはならないことだと思っています。今回の先輩のように『第一志望が叶わなかった』ところから立ち上がって目標に挑む姿は…面と向かっては言えませんが…眩い姿・尊い姿勢だと思うのです。
『高校受験で失敗したことになっているけど、結果的に今通っている高校に進学したことは結果オーライじゃね?』との言葉がありました。これは多分、私を労おうとしての言葉だと感じました。この生徒さん、外見のチャラさ(失礼!)からは想像できないくらい優しい生徒さんなのです。高校受験では必死になって私に食らいついてきてくれる生徒さんでした。だから公立の結果を受け止めるのはお互いに辛かったね。
しかし『結果オーライ』は違うよ。今キミが真剣に取り組めているのは高校受験に対して真剣に取り組んだから。そして第一志望進学が叶わずに心の底から悔しいと思えたからです。そしてそれを大学受験へのエネルギーに転換することで初めてキミの高校受験は完結するのではないかと思っています。
こんな話は多分に感情的になってしまい、上手く文章がまとまりません。でも受験に対して真剣に取り組めればこんな物語も生まれることを実感しています。この先輩が見事希望する将来を勝ち取ってステキな青春ストーリーが完結するよう心の底から祈っています。ガンバレ!