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332 入試分析 ~平成31年度千葉県公立入試~

332 入試分析 ~平成31年度千葉県公立入試~

本章は長くなりますが最後までご一読頂ければ幸いです。

毎年春先、入試が一段落すると入試で出題された問題に一通り目を通します。今年も例年通り目を通しています。まだ私立高校の入試までには手が回らないのですが、早めに傾向を把握しておけば叶う対策も少なくありません。

千葉県公立入試問題は新聞発表もあるのでかなり早めに着手できます。しかしその期間はどうしても他にやらなければならない事が多く、なかなか腰を据えてじっくりと、とはできないのが現実です。入試を終えて受験生全員の進路が確定してからようやく、というのが現実です。

例年入試傾向は変わっているな、これが偽らざる本音です。傾向が変わっているからこそ過去問だけやっても意味がなく、かと言って新傾向問題ばかりに傾斜しても先走りすぎてもバランスは取れません。2~3年前に新傾向とされていた問題がいつの間にか懐古して従前の出題傾向に代わることも少なくありません。傾向を的確に把握した上で本道を外れずに学習を進めることこそが大切なことなのではないかと思っています。

本年(2019年度)の各科目における前期入試の主な傾向を簡単に記しておきますのでご参考までにご一読下さい。詳細資料は教室にて配布できるようになっていますのでお気軽にお声がけ下さい。

数学
近年、『千葉県の数学は…』と言われ続けたこの科目、今年は易化したように思います。毎年数%(つまり1割以下)の正答率であった作図も昨年同様中学1年生の学習範囲で完遂できる問題に変わりました。また、『方程式の文章題』『立体図形の求積問題』の復活など、全体的に良問が多くなっているように感じます。逆に言えば雑に解く癖があると合格点には至らない』ように作問されている問題なのではないでしょうか。

英語
この科目は今年の傾向より『近年の傾向』とした方が良いように思います。それはカードやポスターを読み取る力』『漫画や図を読み取る力』『長文を読み取る力』が特に要求されています。特に最近の教科書ではなかなか難しくなった『長文対策』は長いスパンでの準備が要求されます。

国語
まず挙げられる大きな点は問題数の増加です。昨年34問に対して今年は37問となりました。大問8の課題作文を考えると短時間で国語の総合力を問われる試験』になっています。効率的に解き進めることを普段から意識しなければなりません。読解については今回は論説文のみ昨年より短くなりました(小説文は長くなりました。)が、今後は長文化傾向になるものと見られています。文章そのものの難易度はさほど上がっていないので『長い文を効率的に読み進める』力が求められます。また、記述解答問題が増加しています。(2018年度3問 ⇒ 2019年度5問)

理科
この科目はまさに教科書学習の重要性を説いているようです。教科書や学校ワークを軸に勉強を進めることをお勧めします。出題範囲として1年範囲30点、2年範囲37点、3年範囲33点と2年範囲がやや多めの配点となりました。また、作図問題が昨年1問に対して2問に増えたことも押さえるべきです。ただ、記述問題は問題数こそ変わらない(2問)ものの、問題レベルとしては易化しています。また、出題量が多いため、演習速度も普段から意識したい出題となりました。

社会
千葉県問題(大問1)、地理総合(大問2・3)、歴史総合(大問4・5)、公民範囲(大問6~8)と形式的には昨年同様の出題でした。ただ、出題数は2018年度が33問に対して2019年度は32問となりました。難易度としてはさほど高くない問題が多かったのですが、解答に一ひねり求められるものも見られ、単純な一問一答の知識だけでは対処できないものも目立ちました。また、多くの受験生が苦手にしている『歴史の並べ替え問題』もより高度な形で出題(内容的には基本レベルですが…)されています。理科にも言えることですが、暗記科目だから…という準備では大きな差がついてしまう出題になっています。

上記内容を全ての受験勉強に当てはめて…ということは家庭学習では難しいことです。しかしそれをやらないと差がつくのでは、そうお考えになるのは自然なことです。ご不安なことがあればお気軽にLS WILLまでご相談ください。