2019年4月末をもって平成という時代が終わります。この間の総括というと大袈裟ですが、私自身の個人史としてどんな時代だったのかを検証しています。本章は2回に分けで掲載致します。
故小渕恵三元官房長官が額を手に『平成』という時代を告示したシーンを見たのは大学剣道部の部室に置いてあったテレビでした。私は昭和という時代と共に学生時代に別れを告げ、新しい時代に新社会人となることを実感しました。
新社会人の私は旅行会社に奉職しました。折しもバブル全盛期、海外旅行が当たり前になりつつあった時代でした。新社会人として初めて出た電話、電話口でいきなり『Hello! I’d like to~』とまくし立てられ、大いに慌てたこと、そして国内だけで安穏と暮らせる時代ではないと痛感したことを鮮明に覚えています。
旅行会社時代には上司・先輩やお客様方からたくさんのことを教わりました。特に私は本店の営業部に所属したため、他支店であればなかなか話をすることの出来ない会社幹部の方々にもかわいがって頂けたことは幸運でした。
旅行会社で教わったことで今でも折に付け脳裏をよぎることが二つあります。一つは『懸命にやれ!』と言われたこと。まだ業界経験も浅く右顧左眄(右を見たり左を見たりして、ためらい迷うこと。 また、まわりの情勢や周囲の思惑・意見を気にして、なかなか決断できないでいること。)しているような日々を送っていた頃、必死さが足りないことを先輩が指摘して下さいました。このことがきっかけで仕事に対する意識が変わり、結果的に良い循環が生まれるようになりました。
もう一つは『日々勉強』という姿勢でした。旅行会社は世界各国の都市を案内できなければなりません。そうなると膨大な知識量が必要になります。しかも観光資源(新しく出来るテーマパークや毎年更新される世界遺産など)や観光インフラ(ホテルなど)、そしてそれらに至るための交通手段などは日々刻々変化していきます。そうなると『ここまで知っていれば大丈夫!』が果てしなく遠くに去り続けます。それに対して出来ることは『日々勉強』なのだ、と教わりました。
これら二点については今の私にもそのまま言えることです。『この位で良いかな…』と思う心を戒め、日々進歩していけるような教室運営を心掛けなくてはいけません。これは決して楽なことではないと思いますが、幸いにもそれらを楽しくやることも社会人序章で学べたお陰でこれらを意識して生活できているのではないか、と思っています。かなり甘い自己採点ですが…
学習塾奉職以降は次章に続けます。併せてお読み頂ければ幸いです。