モンスターペアレンツと言う言葉も市民権を得てしばらく経ちました。あまり良い意味で使われることの無い言葉ですが、全く否定的に使われることもないようです。様々な背景があるので一刀両断に…とすることもできないのではないでしょうか。第三者的視点から見ても親側・家庭側だけが悪者、と言う訳ではないように見えるからと思います。
お子さんを持つご家庭、特に親御さんは我が子に無条件な愛情を注ぐものです。そんな中で我が子が不当な扱いを受けていたらそれに対して抗議をするのは当たり前の行為です。抗議をしたことに対して全てを『モンペだから…』とすることはないと思います。問題となるのはその対処方法だと思います。
お子さんは多くの時間を学校で過ごし、人間関係もそこを中心に形成していきます。従って問題も学校に関係したところで起こることが多くなってしまいます。ただ、そこで『問題を起こすのはいつも学校…』としてしまうのは大きな過ちなのではないでしょうか。お子さんは学校における関係が濃密となってしまうため、致し方ないものだと思うのです。
問題が起こった際、それをどう解決するかがポイントなのではないかと思います。ご家庭側・学校側双方に言い分があると思います。更に言うなら問題案件に関与したすべてのお子さんやご家庭にも言い分はあると思います。そこで感情的になって一方的に意見を押し付けてしまえば問題の根本は解決しないまま禍根のみが残ってしまいます。その問題がいつ再発するかと言う危惧も残ります。
問題が起こったら小さな芽のうちに全力の対処を行い、その芽を摘むことが大切だと思います。何とかなるだろう、好転するだろうと楽観してしまうことで対応が後手に回るような事態だけは避けたいものです。一方で過大な反応を示して行き過ぎた対応を取ってしまうこともお子さんにいい影響を与えません。その時その時に必要な、そして適切な対応を取ることが大切だと思います。
こうして書き記していくと全ての危機管理に通じるものがあるように思います。つまり社会の危機管理もお子さんの危機管理も同じなのだと思います。『子供の間で起こったことだから…』と軽視せずに大人がきちんと対処する必要もあるのではないでしょうか。
今まで教室にご縁のあったご家庭ではモンスターペアレンツのようなご家庭はありませんでした。しかし、中には『学校でモンスターペアレンツと言われて…』とご相談を受けたことがありました。お話を伺うと確かにお子さんはひどい状況に置かれていました。ただ…
ご家庭の対応もまずかったと思っています。詳細は伏せますが、十分なコミュニケーションが取れていなかったように思います。結果としてご家庭は学校不信に陥り、学校はご家庭をモンペと呼んでしまう状況が生まれてしまいました。両者の溝は決定的になりつつありました。一刻も早い対応が必要に思えました。
幸いにも対策を打って事なきを得たのですが、この件の教訓として十分なコミュニケーションが上げられます。『相手も解っているだろう』『理解してくれるだろう』と考えるのは日本古来の文化ですが、昨今の世情ではきちんと言葉にして相手に伝えることが求められていると思います。
学校側は問題が起こればそれらを文書にして管理しなければなりません。従って以心伝心はあり得ません。だからこそ言葉にして伝えなくてはならないのです。また、相手の立場や決済範囲を超えた無理を押し付けることも慎まねばなりません。可能な限り建設的に話し合うことも必要です。大切なことはお子さんが適正な環境を持てること、ではありませんか?
塾仲間の方々の中には『うちの教室には…』と話されることがいらっしゃいますが、今までLS WILLの教室でそのように感じたことは一度もありません。本当に恵まれた環境だと感謝しています。心掛けていることなどと言うと大げさですが常日頃からコミュニケーションを取れるような運営をしています。だから…電話がしつこくなってしまうことも少なくありませんが何卒ご容赦を。