毎年、いや、毎回の受験指導・進路指導はどれが正解なのか、いつもいつも迷います。その提案進路が一番良いのか、果たして3年後・5年後・10年後にその生徒さんや周りの方が笑顔でいられるのか考えてしまうことも少なくありません。
『今年の進路指導は100%満足しています。そして生徒さんやご家庭の皆さんも間違いなく満足しているはずです。』こう答えられるような年度は残念ながら今まで一度もありません。進路を決めることは取捨選択をすることです。その生徒さんの未来を透視できる力があれば良いのですが、これは現実的ではありません。
また、現在の学習塾が担うべき使命は『生徒さんやご家庭が希望する進路が取れるような学力(一部受験テクニック)を構築する』であることから考えても『こちらの学校を受けなさい』『あちらの学校の方が良いですよ』などという口出しが過ぎることも望ましくないと思っています。そんな側面からあまり踏み込みすぎぬように自制することも必要ではないかと思います。
ただ、真剣に進路を考えて貰う、その進路を取ったときにどのような将来が待っているのかシミュレーションして貰うことは出来るのではないかと思っています。その材料として『この学校はこういう特徴があって・・・』『この学校はここに力を入れていて・・・』と話していくことは大切なことなのではないでしょうか。
こうなってくるとその生徒さんの学力だけではなく、普段の様子や本来の性格、内に秘めた熱い希望なども汲み取れないと上手く行きません。それには一定期間以上のお付き合いも必要になります。数字や字面に表われないものをどうやって具現化していくことも大切になってきます。
2019年度受験生(2018年度に中学3年生の生徒さん)の中にも既定の第一志望を変更した生徒さんがいます。自分の将来に向き合って真摯に考えた結論です。恐らくご両親とも真剣に話し合ったことと思います。真剣に考えた第一志望だからこそ必死に取り組める力に変換できるものだと思います。