以前入会された生徒さんのお母さんとお話をしていたときに強い印象を受けた言葉がありました。その生徒さんは他の塾に通っていたもののなかなか学習方法が合わずに転塾を決意され、LS WILLを選んで下さった経緯がありました。
前の塾で色々な思いをされ、少なからず学習塾全体に対する不信感もあったと思います。私自身も根掘り葉掘り話を聞くのは逡巡せざるを得ないような状態だったことははっきり覚えています。ただ、受験や進路に対する強い意志・姿勢だけは明確に感じ取ることができました。
初対面で学校や模試の成績、志望進路などを他人に話すことは本当に嫌なことだと思います。しかも大多数の方は『成績が不安だから塾に行く』訳ですから、自身で足りないと思っている成績を喜んで話したい人は少数派なのではないでしょうか。
しかし塾側からすれば興味本位でお伺いしているわけではありません。現状がどうなのかを確認し、目指す位置(志望校合格への水準値)までどのように引き上げるかを検討する場でもあるのですから・・・
こちらとしてはどのような根拠でそこまで立ち入ったことをお伝えしたところ、細かい推移までお知らせ頂きました。その状況を踏まえ、学習計画の立案に加味していくこととなりました。
そんな中、お母様から意外なことを伺いました。『前の塾では目安の偏差値程度しか触れませんでした。志望校合格のための目標値とか内申点の過不足とかは言われなかったように思いますが・・・』『それと、受験の中身や進路についてもそれほど詳しい話は聞いていなかったのでビックリしていますが・・・』
最近の情報過多な時代に反して、ご家庭での受験情報は非常に少ないように感じられます。また、受験情報もテレビなどのマスコミ情報やネット情報などでは信憑性がかなり低く、情報過多な状態なのに情報がない、となってしまうようにも思います。
学校の進路指導についても、時代の流れから『進路指導』という言葉を使わず、呼称も形式も、そして内容も『進路相談』となっている現状を踏まえれば致し方ないのかな・・・と思うことがあります。しかし、それでは我々の仕事は寂しすぎるのではないでしょうか。
生徒さんが目指す将来像、それを目指すにはこの学校が良い、そこを志望校としよう。これは非常に良い志望校選定です。しかし、私が知っている学校の方が目指す未来により近いのならそちらを勧めることも使命だと思います。
我々塾業界に奉職するものにとって陥りやすい間違いですが、塾の社会的使命は『勉強が解るようにする』ことではなく、『より良い志望校に進学できるような手助けをすること』だと思っています。従って勉強が解るようになる・点数が取れるようになることは一手段であり、このことと同等に受験情報を的確に届けることを重視したいと思っています。