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303 三者面談

303 三者面談

中学3年生の11月になると三者面談が実施され、漫然としていた進路が具体的に受験する学校を決定する時期となります。最近、ひょんなことから『中学校の先生側から見た三者面談』について話を聞くことができました。各論も含まれるためあまり具体的な話はできませんが、その折に私が感じたことを述べていきたいと思います。少し長くなりますがお付き合い下さい。

まず最初に感じたことは学校側とご家庭の温度差です。学校側はこの面談で受験する学校を決定するスタンスであるのに対し、一部のご家庭はこの面談でどのレベルの学校が合格可能なのかを相談しようとお考えになっている点です。どちらのスタンスも一長一短がありますが、少なくともこの面談は相談する面談、ではありません。決めることを決めるための意思確認と位置づけなければならないと思います。そこに食い違いが生まれています。

勿論、11月の時点ではまだまだ残された日数があります。特に千葉県公立高校受験まではあと100日前後残されていますので、そこからの伸びしろを勘案しなければなりません。そうなると確定させることは非常に難しいことです。だからこそご家庭からは相談を、という考えが出てくるのだと思います。

この面談はそれまでのものとは違っていることを良く認識しておかなくてはならないのではないでしょうか。LS WILLではこの面談に先立っての対策も行っています。特に一番上のお子さんが三者面談を迎える時は私自身も入念に、慎重になるものです。

二点目は比較的熱心なご家庭に起こりがちなことだそうですが、尺度の違いです。学校の先生は最新の、場合によってはここ数年のデータに基づいての提案を行うのに対し、ご家庭側からは『お父様お母様時代の受験』を基礎データにして受験を組み立てようとお考えになる案件が散見されるそうです。

学校の先生が示す併願校(言葉は悪いのですが、『滑り止め』とすると解りやすいかもしれません)に対して不満をお持ちになるケースの何と多いことかとお嘆きになっていました。この点については私自身も同様の思いを抱くことがあり、深く共感しました。

特に千葉県ご出身のご両親をお持ちのご家庭では当時の『公高私低』が未だに盲信されています。しかし現状では私立の躍進公立(特に偏差値50前後の中堅校)の凋落により状況は一変しています。誤解を恐れずに述べれば『滑り止めの私立に進んだ方が良い進路(=大学)に進める』ことも少なくないのです。

この件については深い説明無しに論述してしまうと大きな誤解を招くこともありますのでこの位にしておきますが・・・機会があれば是非ともお伝えしたいと思っています。

三つ目、最後に感じたのは『学校に・先生に対する違和感です。学校の先生にとって進路実績は先生の評価に繋がります。つまり突き詰めて考えれば『自身の評価を上げるために生徒の進路について相談・指導する』ように映ってしまうシーンがあまりにも多いように感じました。

これは多くの先生にとってそうなのか、お話を伺った先生がそうなのかは解りません。しかし進路実績が教員評価に反映される点から考えて全くない話ではないと感じました。恐らく学習塾でも同じようなことだと思います。だからこそ塾の募集チラシに『県立千葉高校○名合格』『県立船橋高校○名合格』『私立御三家○名合格』などの文言があるのでは・・・

個人的な考えですがそれらはちょっと違うのではないかと思います。世間一般に言われる名門校や、生徒さんそれぞれが行きたいと願った第一志望校に合格するのはその生徒さん自身の頑張りがまず最初に称えられるものであって学校や塾がその名誉を横取りするのはいかがなものではないでしょうか。

話が脱線しましたが、進路を決めるのはその生徒さんが強く願う将来を掴むにはどうしたら良いか、この一点から出発すべきなのではないかと思います。間違ってもその先生や学校の評価や名誉のためではないことを踏まえて頂ければな・・・と感じました。

進路を決めるための三者面談は学校側にもご家庭にも非常に重要、しかし厄介なものです。それだけにその意味をよく考え、きちんとした筋書きを持って臨んで欲しいと思っています。