300回目という節目に『残念と思うこと』を掲載するのは甚だ不本意ではありますが、最近特に気になったことなので敢えて掲載します。ご一読下さい。
近年10月下旬になるとハロウィンの名を借りた暴徒が街中に出現し、社会問題と化しています。渋谷スクランブル交差点の『DJポリス』はもはや風物詩と言えるのでは・・・ このイベントが社会権を得た頃(10年ほど前でしょうか)には日本にも欧米文化が日常文化として入ってきた、と歓迎してきたメディアも昨今の報道では眉をしかめるものばかり、現金なものです。
これは日本における社会の縮図かもしれません。日常的に抑圧された生活を送っている人々は何かのイベントで一気に暴発してしまう、しかも仮装という匿名性でそれがヒートアップしてしまうように思います。その結果、キリスト教における節目の日がバカ騒ぎする日に変わってしまうのは残念です。
教室でもハロウィンが話題に上ることがあります。『Trick or Treat』と口ずさむ生徒さんや仮装について語る生徒さんもいます。私からは厳格なキリスト教徒は日本におけるハロウィンを非常に冷ややかな目で見ていることも伝えています。そしてハロウィンについて、キリスト教についてより本質に近いものがお伝えできるよう心掛けています。そのことから本質を見る目を養ってほしいと思っています。
これらは学習塾の社会的使命ではありません。しかしこのことがきっかけとなり語学に、宗教史に興味を持てるきっかけとなるならその機会を提示することも大切なことだと思うのです。
教室では毎日日替わりに『今日は何の日?』という掲示を行っています。これは歴史的な出来事や歳時記について皆に知って貰おうという趣旨で行っています。もう8年以上になります。365日×8年で29,250件の事柄について紹介して来ました。実際のところは使い回しですが、生徒さんにとって、この教室に縁のある方にとってのきっかけになれば良いなと思っています。
10月31日の記事を一部掲載します。
【今日は何の日】ハロウィーン
アメリカなどでキリスト教の諸聖人の日(万聖節)の前夜に行われる行事です。ヨーロッパを起源とする民俗行事で毎年10月31日の晩に行われます。ケルト人の行う収穫感謝祭が他民族の間にも行事として浸透していったものと考えられています。由来と歴史的経緯からアングロ・サクソン系諸国で盛大に行われます。
ケルト人は自然崇拝からケルト系キリスト教を経てカトリックへと改宗した経緯があり、カトリックでは11月1日を万聖節としていますが、この行事はその前夜に当たることから『諸聖人の日』の旧称「All Hallows」のEve(前夜祭)、Hallowseveが訛ってHalloweenと呼ばれるようになりました。