小欄274章『夏が来た!』で『学校の宿題を塾で完成させよう』と提案したことについてご意見を頂きました。『学校の宿題は各自が自分の力だけで完成させるのが本義だと思う。親であれ第三者であれそれに助力するのはいかがなものかと思う。』とのご意見でした。
塾の授業で宿題を手伝うケースは大きく分けて2つあります。一つは自分で進捗管理が出来ないためについ後回しになって結果的に出来ない(やらない)ケース、もう一つは根本的に問題が解けない(解らない)ケースです。274章で挙げた『カツオくん』は恐らく前者なのではないでしょうか。
自分で管理が出来ないため・・・と言うカツオくんパターンは『やらないからいけない』『ただサボっているだけ』とかなり否定的な見方をされがちですが、実は重傷なのです。小学生の夏休み課題は当該学年に相応しい学習習慣が付いているかどうかを確認する分量でもあるからです。
つまり、適正な学習習慣が付いていないことにもっと注目すべきなのではないでしょうか。そのようなケース、無理に自室で机に向かわせても・・・あまり効果は出ません。だからこそ塾で『学習習慣を付けるために』取り組むのです。取り組む内容も『学校課題』が最善だと思います。
塾では塾のオリジナル課題でやれば・・・との考え方もありますが、達成感を得させるという面で『学校の宿題が終わった!』に勝る夏休みの快感はないと思うのです。その快感・達成感が大きければ大きいほど学習習慣が付くように感じます。このような理由で私は学校課題を塾でやることを推奨しています。
勉強が解らないケースは仕方ないのではないでしょうか。夏休み期間にお父様お母様、お兄様お姉様が付きっきりで教えるのは現実的ではありません。身内の甘えから口論になることもあるでしょう。私自身、身内に勉強を教えた時は大変でした。従って塾でやる選択肢しか残っていないと思うのです。
小学生の夏休み課題以外にも提出期限ギリギリになっても終わらない中学生ワークがある場合には塾で取り扱うこともあります。これは何度となく述べていることですが、学校の宿題・課題は期限までに提出できなければ評価対象にはなりません。それをきちんと理解して貰うために行っているのです。
しかし、生徒さんそれぞれの忙しさなどにもよりますが、このような対応が毎回続くことはまずありません。やらなくちゃ・・・と思ってくれるのではないでしょうか。また、上記にあるような学習習慣も徐々に形成されていくのでそれらが負担にならなくなっていくのではないかと思います。
入塾当初から全て出来る生徒さんは本当に一握り、皆無と言っても過言ではありません。それを少しずつ一つずつ覚えて習慣化して行ければ良いのです。それらが勉強に対する技術であり、試験に対するテクニックになるのです。慎むべきは我流でやって、悪癖を付けてしまうことです。これを是正することは本当に大変です。