column_archive_header_s
274 夏が来た!

274 夏が来た!

『夏休み』『学習塾』で連想する言葉は? この答はほぼ全ての人たちが『夏期講習!』と答えるでしょう。今では季節講習も市民権を得て受講することで成果が一層上がるものと認知されています。中には部活動などで忙しくて通常は塾に通えない、せめて夏休み・冬休みだけでも通塾して弱点を補強しよう、そんな生徒さんを見ることもあります。

私が学習塾業界に奉職した頃(かれこれウン十年前ですが・・・)には『受験生は必ず受講、非受験生は希望者のみ』としてアナウンスするよう会社から指示されましたが、現在は小学生・中学1・2年生の環境が大きく変わっています。これはここ7~8年ほどのことではないでしょうか。それは私がみ春野の教室に着任した頃と合致しているのは興味深いところです。

受験生の夏期講習はもはや言い古されていると言っても過言ではありません。受験を半年後に見据える中で、学習の基礎をガッチリと固め、既習範囲を総復習できる最後のチャンスです。これ以降にまとまった時間を取るには冬休みしかありませんが、冬休みは直前対策で過去問・総合問題に取り組まねばならない時期なのでこの時期を逃すと大変なことになります。ここから先の学習は『後回し出来ない時期』となるのです。

一方で小学生・中学1・2年生はどうでしょうか。現在の中学校教育では中学3年の卒業式前日までに全学習範囲が終わるように学習を進めているのが現状です。しかしそれでは間に合わない、学校進度に先んじて中3の年末までには自力で単元を完成させ、そこから過去問・総合問題をやらなくてはなりません。

そうなると『中学3年生になってからペースを上げれば良いのでは・・・?』となりがちですが、中3でも定期テスト対策(これが内申対策になります)や課題(『ワーク提出』など)もあり、思ったようには進まないのが現状です。そうなると中学2年から、中学1年から徐々にスタートすることがベターです。

また、分からない箇所や苦手単元の克服をするために講習を利用することも重要です。4月から7月まで学習した単元で苦手ができてしまった、普段は学習進度を守らなくてはならないので補強する時間もままならない、そんな時に活用するのが講習です。

この苦手範囲の克服、実は直近の学習以外にもこんな使い方が出来ます。
『1年次に比例・反比例(1年秋期に学習します)が苦手だった。2年の一次関数(2年秋期に学習します)は挽回したいので2年の夏期講習で比例・反比例の復習を徹底的に行い、出来れば一次関数の予習もする』 これは講習の賢い利用法だと思います。

また、実際問題として2期制の学校運営(千葉市が該当します)では夏休み明けにすぐ期末テストとなります。その準備期間として夏休みを十分に利用することは大切なことだと思うのです。もちろん、部活動やご家族での旅行などをする時間はあるべきと思いますが、勉強する時間も確保したいものです。

『中学1年2年から受験なんて・・・』とのお言葉を頂くこともありますが、これは高校受験に大きな意味を持ってくるからです。ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、千葉県公立高校入試では1・2年の内申点も3年の内申点も同等に扱われます。それだけに中学1・2年の学習は疎かに出来ないのです。

小学生の季節講習はその生徒さんによって様々です。一例を挙げますのでご参考までにご一読下さい。
まず、長期休暇には学校から宿題が出ます。その宿題、意外と厄介で休みの最後まで持ち越してしまうことも少なくありません。まるで『カツオくん』のように・・・ そうならないよう、塾でコントロールしながら計画的に完成させる、これが第一の内容です。

第二の内容は「文章題・図形の克服」です。小学校5年生で『割合』『単位量あたりの大きさ』『平均』『円』『三角形・四角形の面積』が、6年生では『速さ』『対称な図形』『円の面積』が難関単元として出てきます。それらは必ずしも夏休み前に学習する範囲ではないのですが、これらを夏休みに克服しておけばその後の学習が非常に円滑に進められます。蛇足ながら、6年生になってからでも『5年生の苦手箇所を克服する』ことは決して遅くありません。要は小学生のうちに克服できれば良いのです。

『小学生の内容は小学生のうちに』、これは形を変えて中学生の学習で活用する単元が出てくるからです。代表的なものに一次方程式の文章題があります。割合や速さを使った問題がそれだけで小単元を作るほどの量で出てくるのです。それに対して『小学生の時、苦手だったから・・・』は致命傷です。

長くなりましたが最後に、夏期講習を受けたか受けないかでどれだけ違うかについてです。これは非常に興味深いものですが、きちんとした統計がなかなか取れません。しかし、当教室で面白い傾向が一つあります。中学生の定期試験で自己最高点を更新しやすい試験、それは前期期末試験です。例年7~8割の生徒さんが自己最高を叩き出すのです。前期期末試験は夏休み明けの9月上旬(2018年度は9月6・7日)に行われます。これって夏期講習の成果では・・・!?