小学生や中学1年生ぐらいまでは学習塾に通っていない生徒さんも決して珍しくはありません。小学3年生までは通塾率も5割未満、学校の勉強を苦痛に感じることもあまりないと聞きます。(ただ、重要な学習については目白押しですが・・・)
そんな中でこんな声を聞くことがあります。『○○ちゃんは塾に行っているから頭が良い』『塾に行っているから良い点を取れる』・・・学習塾運営者としてありがたい話ではあるのですが、それは恐らく間違いです。厳密に言えば『塾に行く準備をしたから点が取れる』のではないでしょうか。
今まで多くの生徒さんを見てきて統計的に感じるのですが、新たに塾に入会して理解が高まる・点数が上がる生徒さんは、特別な方法を・特別な内容を学習させたわけではありません。極端に言えば当たり前のことを当たり前にやる、これだけです。裏を返せば『それまでは当たり前のことをやらなかった』となるのですが・・・
しかし『当たり前のこと』が何なのかが解らないケースも非常に多く見受けられます。だからこそ塾では『このポイントが当たり前ポイントなのです!』と示してあげることが大事なのだと思っています。でも、これは大人の世界でも同じことだと思うのです。テレビなどで紹介される『名人』『達人』などのドキュメンタリーを見ても『そんなところがポイント!?』と思うことが少なくありません。指摘されて初めて気付くのです。
よく、家庭学習の目安とされる『小学1年生なら10分、2年生なら20分・・・』というものがあります。言い得て妙な表現です。しかしそれを自ら進んで出来ている生徒さんが果たしてどれだけいるのか・・・ それらの取り組みをご家庭からでも学校側からでもないもの(すなわち塾側)が指導することに意味があると思うのです。
ご家庭や学校の指導が徹底されてきちんと機能していれば学習塾は要らない、これは私の持論です。しかし現実問題として教室に駆け込んでくる入会希望者の方に『なぜこんなに利発な対応のできる生徒さんが小学校・中学校の勉強ごときに苦しむ?』と思うことがあまりに多いのです。そして受験情報を全くご存じないようなケースも見られるのです。それは果たして『機能している』と考えるべきなのでしょうか。
今回は少し強い論調になってしまいましたが、小中学生が学習に臨む本質の一部、実は皆さんよくご存じのことなのだ、それを知っているか知らないか、実施するかしないかで大きな違いが出てしまうことを結論とします。それを知らないなら、実施できないなら、機能していないなら、それらは塾がお手伝いすべきなのではないかと思います。