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269 笑顔も 涙も

269 笑顔も 涙も

学習塾の運営に携わっていると良く聞かれることは『やっぱり入試で第一志望に合格した時が一番嬉しいでしょ?』です。この問い掛け、人によって、または塾を運営している会社の考えによって千差万別に思います。入試のみに焦点を絞って取り組む塾(中学受験や大学受験を専門に扱う塾が該当します)なのか、学校へのキャッチアップを目指す補習塾なのかでも変わってくると思います。

私が学習塾を運営していて『嬉しい』『楽しい』と思うことは生徒さんの成長を実感できた時、そして生徒さんの努力が結実した時です。そう言った意味では『第一志望に合格する』も嬉しいことに違いはないのですが、それだけではないのです。今まで解けなかった問題が解けるようになる、小テストで苦手を克服する・・・日々嬉しく思うこと、そしてそれと同じくらいにガックリすることの繰り返しです。

先日も母体中学校である千葉市立こてはし台中学校で定期試験があり、結果が出揃いました。安っぽいチラシにあるような『全員が満足できる過去最高得点でした!』などというありふれた結果は絶対にあり得ません。きっちり頑張って結果を出した生徒さん、今回は悔しい思いをした生徒さんそれぞれです。しかし、それが良いのではないでしょうか。望む結果が出た生徒さんは今の取り組みを継続し、悔しい思いをした生徒さんは次回の挽回を期してより努力を重ねる、これが学生時代における競争の本質です。

特に『悔しい思いをした生徒さん』はこれを機に反面教師として学んで欲しいと思っています。本当に悔しいと思うなら次回以降の取り組みは大きく変わるはずです。心の底から悔しいと思うなら次こそは・・・となるはずです。いや、ならねばなりません。

そして教室で生徒さんを見ていて思うことは『悔しい思いをした生徒さん』は大体同じ傾向を示します。もっと言ってしまえば試験がどのような結果になるかは試験前にある程度分かります。中学校の試験では資質や才能より努力量が重視されるからです。つまり『悔しい思いをする⇒取り組み不足』の構図が成り立つのです。

前回の試験で悔しい思いをした生徒さんが次の試験に真剣な取り組みを示し、見事目標をクリアした時、その時に一番の喜びを感じるように思うのです。でも・・・望む結果を出し続けるための努力を継続している生徒さんを見ていても・・・嬉しく思います。生徒さんの成長を実感できることが喜びなのかな、と自己分析しています。

一例を挙げてしまうと・・・今回の試験で自己最高点を大幅に更新した生徒さんのうちの一人、実は非常に忙しい中学生活を送っていて私が直接教室で見る時間が圧倒的に足りませんでした。従って宿題・課題は一定以上課さなければならずそれも負担になっていたかと思います。その上でやるべき事(ワークや一問一答対策など)は早めに完成させるよう助言しました。内心やり遂げられるか少し心配もしていたのですが・・・

フタを開けてみればやるべき事の提出は教室で一番早く、授業中も一番集中して取り組んでいました。勉強に限らず、物事に対して積極的に向き合う姿勢が出来てきたように思います。この生徒さんの成長は本当に嬉しく思っています。

この生徒さんも含まれるのですが、最近は『テストで良い結果。バンザ~イ!』『悔しい! でも次は頑張るぞ!』以外の第三勢力が台頭してきました。それは『私は僕は、やることをやれば本当はこんな点が取れるんだ!』というグループ。某有名塾のCMにある『やればできるコ』ですね。このタイプの生徒さんは成功体験という宝物も手に入れることが出来ます。

学生時代の勉強は『やればできる!』がある意味当たり前です。そうやって成功体験を重ね、努力を厭わぬ生徒さんが一人でも増えることが一番です。そして涙を笑顔に変えていく日々の積み重ねこそが尊いのではないかと思います。

今回は私の思う嬉しいことを書き連ねたので非常に長くなってしまいました。最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。