学校定期試験の前に塾として宿題を出すべきか出さぬべきか、かなり以前から様々な議論が為されているのをご存じでしょうか。ある塾ではこういった考え、他方の塾ではこのような考え、また一方では会社としてのポリシーはなく、現場判断・・・ 様々な考え方がありそれらは否定すべきではないようです。
学校定期試験前には何としても納得できる点を取らせたい、そう考えれば普段より宿題量がアップするのは致し方ないようにも思います。授業内容をきちんと復習し、類型の問題にも対処できるためには相応の宿題量があってしかるべきです。本来は通常運営においても同様にしたいのでしょうが、ただでさえ忙しい中学生・高校生を見ていると試験前にボリュームゾーンを設定する手法は致し方ないのではないかと思います。
一方で定期試験前には学校側から『試験日までに○○(多くは教科書ワークやノート、プリントなど)を提出』などの課題が出されることが多くあります。これらの準備は日々行えれば一番良いのですが、なかなかそうも行かず、試験前にある程度まとめて行う生徒さんが大多数なのではないでしょうか。そうなると塾の宿題も重なって大変なことになる、という生徒さんが出るのは自然なことです。
いずれの方法にも一長一短があり、正しい方はどちらと決めつけることは出来ません。試験前に塾からの宿題はなく、やるべき事が見つからずに無為な時間を過ごしてしまった、塾の宿題と学校課題が重なり、試験前の学校授業に寝不足で参加した、等が考えられます。どちらも傷付けてしまう諸刃の剣のようです。しかしこれは『本質』を考えないことから起こるのです。
LS WILLでは試験前に授業強度が高まるに従って宿題量も増やしています。ただ、学校ワークなどの提出物を後回しにしてまでやるようには指導していません。あくまで学校課題が最優先です。それを怠れば学校からの評価(つまり『内申点』)に大きな悪弊が出てしまうからです。学校課題を優先した結果、塾の宿題が出来なかった・・・これは致し方ないことだと思います。
ただ、生徒さんも毎回の定期試験で徐々に学んでいきます。最初の頃は学校ワークが精一杯だったのにそれらを計画的に消化することを覚え、数回の試験を重ねるうちに塾からの課題もきちんとこなせるようになるのです。これも生徒さんの成長、だと思うのです。
一生懸命やってできなかった宿題は仕方ないと思います。それは私の授業運営が拙かったことにも原因があるからです。一生懸命やっていたかどうかは忘れてきた日の授業で取り組んでいる姿勢や理解内容を見れば判断できます。そんな時は気後れすることなく宿題が出来なかった、と伝えて欲しいと日々生徒さんに示しています。
間違えないで欲しいのは、学校の宿題は何が何でも期限内に完成させて提出することが最低条件、対して塾の宿題は・・・
塾の宿題は体裁良く完成させることより内容をきちんと理解する方が大切だと思うのです。それが叶えられていれば私は良いと思います。
そして考えて頂きたいのは『塾の宿題をやるために徹夜した』などはナンセンスです。もちろん時期によってそれが必要なときもありますが、少なくとも学校の定期試験前にそのようなことはあってはならないことだと思っています。