作文は…嫌い!という生徒さん、まだまだ多いように思います。学校で時間を取って作文を書かせるゆとりがない現実と生徒さんが強い苦手意識を持っている現実に大きな隔たりを感じます。学習塾における作文は受験に必要な作文という解釈で話を進めたいと思います。
私は折に付け、時事問題などを絡めて『こんな題材で作文を書いてごらん』と生徒さんに求めることがあります。大体は中学3年生の春以降に行っています。学校の定期テストでも作文の出題があるので本当は中学1年生から取り組んで欲しいのですが、生徒さんそれぞれが負う負担も考えなければならず、致し方ない判断です。
反対に『受験だけを考えるなら中学3年の冬休みからやれば・・・』とも考えられますが、それでは遅過ぎてしまいます。作文は原稿用紙の使い方や表現だけを習得すれば得点になるものではありません。その一番基底にあるものは『考え方』だからです。原稿用紙の使い方や表現は言ってみれば枝葉のことなのです。
試験で出される作文の規格は200文字程度なのでいくつもの考えを羅列する必要はないと思います。そして考え方で大切な点は『その問題をどこから見るか』です。言い換えれば『与えられた課題についてどのような切り口を見つけるか』なのではないでしょうか。
中学・高校の先生方にお話を伺うと、試験論題に対して概ね70~75%の生徒さんが同じ切り口で論旨の展開をする、とのことでした。可否を問うようなもの(「挨拶はすべきか、しない方がいいか」などの問題)になるとほぼ9割以上の答案が同じ論旨になることがある、とのご意見もお伺いしました。
中学生諸君にまず実践してほしいことは『その問題についての切り口はどこにすべきか』を検討してほしいのです。荒唐無稽(こうとうむけい その言葉に根拠がなく、現実味のないこと。またはその様子)な切り口を探す必要はありませんが、他人から聞いたような意見を羅列するよりあなた自身の考えや見方を示してほしいのです。
それでもほかの人の答案と同じような切り口になってしまう…そんな人には問題を一歩引いてみる習慣をつけてほしいと思うのです。「挨拶はすべきか、しない方がいいか」という問題にはほぼ100%の人が「した方がいい。なぜならコミュニケーションを… 礼儀が…」のような答案があふれかえります。そこであなたが「挨拶そのものについて、私はこう考えます…」とすれば主題に対しての差別化を図ることができます。そこが大事なポイントなのです。
しかし、作文問題は字数や形式などの制約が多く、どうしても同じような内容に陥りがちです。だからこそ時間をかけてトレーニングを重ねていくことが大切です。蛇足ながら『作文は嫌いだから白紙で…』はあり得ませんよ! 作文問題は配点が大きいので必ず着手するようにお勧めします。
ウ~ン…言葉にするとなかなかまとめにくい題材でした。ご希望であればLS WILLの作文講座、受講してみませんか?