もう半年ほど前になりますが、学習塾を運営されている方々がLS WILLを教室見学にお越し下さったときの話です。冬期講習直前の良く晴れた日のことでした。LS WILLの合格実績を評価して下さって仲間内で行っている勉強会の会場となったのです。光栄なことです。
学習塾業界は業界団体(この団体については私も一家言持っているのですがそれはまた別の機会に・・・)に入るか会社組織で複数教場を運営している場合以外ではなかなか他教場を見ることがないように思います。それだけにお越し頂いた方々から発せられた教室見学の感想が新鮮に感じました。
頂いた感想・質問の中で印象に残っているものを挙げるなら『LS WILLは進学塾なのですか? それとも補習塾なのですか?』と言うものでした。この質問の根拠は二つあったそうです。どうしても個別指導塾は補習に偏らざるを得ず、合格実績も要求偏差値50前後、大半は中堅校と言われる学校に進むのが一般的なのに、公立私立を問わず、上位校・トップ校にコンスタントな実績がある点。もちろんそうではない学校を目指す生徒さんも在籍し、そちらの方でもきちんとした実績が残っている点。これがまず第一点だそうです。
第二点目として『補習塾と謳っていないのに教科書準拠の教材も使っている』点だそうです。ではこれらについて私からご来校頂いた方々にどのような説明をしたかというと以下の通りです。
順序が逆になってしまいますが、第二点目から検証していきましょう。教科書準拠の教材も併用する理由は極めて簡単です。学校定期テストでより効率的に得点するために用いています。『うちは進学塾です。難しい教材しか使いません。』という塾側のプライドで準拠教材を使わない塾もありますが、当教室では成果が出ると思われる教材であれば何でも使うことが大切だと思っています。
難しい教材・塾目線で選んだ教材ばかりを使えば学校の授業とのリンクが取れなくなってしまうことが往々にして起こります。学校授業と乖離(かいり)してしまうと受験の大きな柱である内申点がコントロールできなくなってしまいます。そうなると受験では不利になる、それをなくすために準拠教材も重視しているのです。
よく『うちの塾生は模擬試験は取れるが、本番に弱くて・・・』とこぼす学習塾関係者(私の先輩に多くいました)がいますが、それは当日得点という一箇所だけにフォーカスした生徒管理を行っていたために起こることであり、内申点や加点要素の読みなどトータル得点でアテンドしていくことが学習塾では大切なことなのではないでしょうか。そうなると内申点のケアがしやすい準拠教材を使わない手はないのです。
そして第一点目についてです。私個人の考え方ですが『学校の善し悪しは偏差値の高低ではなく、生徒様の望む将来にどれだけ近いかが重要』と考えています。従って生徒さんごとに学校選択の尺度・物差しは違って当然だと思うのです。A君には国公立理系大学に強い高校が、Bさんには私立文系大学に強い高校が、C君には職業指導や専門学校進学指導に強い高校がそれぞれ『一番の進路』だと思うのです。
しかし世の中は『解りやすい仕分け』がお好きなようで『進学塾(上位校を目指す生徒が集まる塾)か、補習塾(勉強の苦手な生徒が集まる塾)か』の分類に当てはめたがるようです。ウ~ン・・・
LS WILLは『総合学習塾』であると説明しています。成績上位者から伸び悩んでいる生徒さんまでお預かりしています。逆に言えば成績を見て預かるかどうかを決めることはしていません。生徒さんをお預かりするか否かを決めるポイントはただ一つ、『頑張ろう!』という気持ちを持ってくれているかどうかです。
こうした説明を行ったところ、教室見学にお越し下さった中のお一人が共感して下さって『うちは春から看板を掛け替えよう。進学塾ではなくて総合学習塾にしよう。』とのことでした。
実は先日、それを拝見しようと足を伸ばしました。そこには見事な看板が掲げられていました。そして『総合学習塾』の文字が鮮やかに描かれていました。何とはなしに誇らしい気持ちになってしまいました。