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240 絶対にいない ~その①~

240 絶対にいない ~その①~

入塾のお問い合せを頂けることは本当にありがたいこと、このみ春野の地でご評価頂けていること日々感謝で過ごせることは幸せなことです。特に通知票が出たあと定期試験・実力試験が終わったあとに教室に駆け込んで・・・というケースがよくあります。今日はそんなお話を・・・

よく『うちの子は全く勉強が出来ません。どんなに説明しても理解できなくて・・・』とお母様が仰り、お子さんはそれに黙ってうなずく、そんなカウンセリングが時折あります。そんな時、普通の塾なら『そんなことありませんよ』と根拠なくフォローの言葉を掛けることがありますが、LS WILLは少し様子が違います。

私は本心で『学校の勉強が全く解らない生徒さんはいないと思っています。だからなぜ理解できないのか、その原因を探ることに終始します。そうするとほとんどの生徒さんの考え方や解き方から『ここまでは解ってここから解らない』が明らかになります。そうなれば糸口は掴めてきます。ただ、解決ではありません。その作業を何十回、場合によっては何百回と重ねていく必要があるからです。

『算数の文章題が・・・』『分数の計算で・・・』など、小学生の算数は我々大人が思っているより小学生には解りにくいものです。そして『なぜ解らないか』が大人には理解できにくくなっているように思います。また、中学生でも『英語がちょっと分からなくなって・・・』と入塾してきた中3生の解らなくなった芽を探したら中1の一般動詞否定文(中1の夏休み前頃に学習)から、ということは日常的にあるのです。

我々大人の役割として大切なことはそれら阻害要因をきちんと整理して学習を理解しやすい環境を作り直すことです。それらをせずに勉強が解らないことで生徒さんを非難することは慎まなければ・・・と思います。

もう10年以上前の生徒さんですが、中学2年生の夏休み前、連立方程式が全く解けない、と塾に駆け込んできたことがありました。連立方程式の計算自体は出来るのですが、文章題になると解こうという姿勢さえ見せない、とお母様が嘆いていらっしゃった姿が印象的でした。

私に少し心当たりがあったのでお母様に尋ねたところ、案の定小学5・6年生で学級崩壊を起こしていたそうです。その結果、小学5・6年生で習う文章題(割合、単位量あたりの大きさ、平均、速さなど。中学入試でも頻出の単元で中学方程式の文章題でも定番です)が欠落していました。あとの対処はそこをきちんと補完するだけです。その後、数学の成績が上がったことで意識向上することができ、他の科目にも良い影響を及ぼしました。

こうやって考えると『解らない』『解らなくなった』は本人だけの問題ではなく、外的要因も多いのです。たった一箇所詰まっているだけで勉強全てが・・・となりかねません。そうせぬ為にも私の仕事に見落としは許されないのだと思っています。