近年のお子さんは習い事に忙しくなっています。これは年々感じていることです。あるデータでは小学生の85%が習いごとをしているというものもあります。小学生で85%、予想を上回る数字ではありませんか? その中でも多数を占めるのが運動系と楽器演奏です。これは大方の予想通りなのではないでしょうか。その中で今回は『運動系の習い事』について述べていきます。
最近の傾向なのですが、10年15年前には習い事としては聞かなかったような競技が非常に多くなっているように感じます。競技としては市民権を得ていてもやっている人は周りにいない、そんな競技を習うお子さんが増えているように感じます。旧態依然とした運動系の習い事の中で目新しい競技はお子さんや親御さんにとって魅力的に映ることもあるようです。
昔は・・・といっては笑われますが、習い事の選択肢が非常に狭かったように思います。しかしその一方でその狭い選択肢から選べば大体の場所で出来たようにも思います。野球・サッカー・バスケットボール・テニス・・・習い事で出来た競技は大体どこの中学校でも部活動として存在していたように思うのです。
特殊な競技を続けてきたお子さんもそれを援助してきた親御さんも『中学校になっても続けさせたい』『高校でも・・・』と考えた結果、中学受験や学力にそぐわない高校受験に臨むケースが最近増えてきたように感じるのです。それって・・・充実した時間を送れるのは学生時代だけのように思うのです。その競技を引退して指導者になろうと考えているならともかく、全く別の道を歩もうとした時に阻害要因になる可能性も考えられます。
ただ、『今はその競技を一生懸命やりたい』と思っているお子さんの気持ちを考えるとむやみにそれを取り上げることも気が引けます。かと言ってそちらだけを論点に進路を決めてしまうのも・・・
ここで一つ、ヒントとなる事例について挙げてみましょう。小学生から野球を始め、リトルリーグを一生懸命やっていたお子さん、中学校には野球部があるのですが、軟式野球でした。どうしても硬式野球を続けたかったそのお子さんはシニアリーグで硬式野球を続け、高校で部活動として硬式野球をやった卒業生は当教室に何人もいます。
一つマイナス要素を挙げるなら、シニアの練習日程は学校とは無関係なので『試験前だから活動停止』とはならず、試験前日であろうとも練習は休めない、従って普段から試験に向けた勉強を長い目で取り組まなくてはならないのは本当に大変そうでした。しかし、好きなことを続けられるパワーはその位の困難には負けないようでシニアを頑張った先輩方は皆勉強も人一倍真剣でした。
学外のクラブチームなども視野に入れていけば『進路先の学校にクラブ活動がなければ・・・』と考える必要性もなくなってより広い視野で進路を考えられるのではないでしょうか。ましてやクラブ活動の有無だけで自分の成績よりぐっと下の学校を選ぶようなことは・・・あまりお勧めできません。