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230 模擬試験

230 模擬試験

将来的に受験がある、そんな時に自分の進度がどの程度かを確認できたら・・・こんな気持ちに対応したものが模擬試験なのではないでしょうか。試験によっては1回に何万人と受験するマンモス模試も存在します。受験生が学習を進めるに当たって目安となり得るものなのです。ただ、これは非常に強い劇薬であることを念頭に置かなくてはなりません。

千葉県の公立高校を受験する場合、大きく分けて二つの模擬試験会社が存在します。一つはVもぎ(株式会社進学研究会)、もう一つはSもぎ(株式会社総進図書)です。この二つの模試、母体が違うわけですから同等に並べて偏差値を較べても・・・全くの無意味です。また、よくやりがちな失敗に『Vもぎの結果をSもぎの偏差値一覧表で見る』、これも二つの模試が別物と理解できていればあり得ないことです。

試験結果が返ってくると皆さんはまず何を見ますか? これも間違いが多いのですが・・・ 一番多い間違いは『最初に見るのは偏差値と合判』、これ、一番やってはいけない間違いなのです。偏差値やそれによって出される合判は模擬試験日時点の数値』です。仮に入試本番3ヶ月前・半年前に受けた試験であれば全く意味がないことに気付いて頂けますか?

ここで出た偏差値や合判で一喜一憂することこそナンセンスなのではないでしょうか。これで『やる気が出た!』と言うならそれなりの意味はあると思いますが、『合格できないのかな・・・』などと弱気になってしまうことは後々の勉強に大きなマイナスです。2~3ヶ月あれば偏差値は考えられないほど変わります。その前の段階でネガティヴな気持ちになってしまうことにメリットはありません。

もうずいぶん前の話になるのですが、生徒さんが第一志望の高校に合格して卒業する際に手紙を貰いました。その中に『先生は模試の偏差値や点数・順位などの話をしたことがありませんでしたね。それは本当に救われました。』とありました。正直に感情論で白状すれば私だって偏差値や合判が良い方が・・・と言う気持ちもあります。しかしそれは生産性がないことも十分理解しています。だからこそその模試結果を次回以降に、最終的には受験に活かせられるように分析することがプロの仕事だと思うのです。