最近の生徒さんを見ていて凄く気になったことがあります。最近の生徒さんは優しくて礼儀正しく、我々が子供だった時代よりずっといい子たちなのですが、凄く気になって…
最近の生徒さんは執着心が希薄なのかな…と思うことが間々あります。解けた問題でも解けなかった問題でも終わったらさようなら、次の問題は…? という生徒さんが非常に目立ちます。でも、その『解けなかった問題』にこそその生徒さんが成績向上を果たすカギが隠れているのではないでしょうか。
LS WILLでは演習はノートに行い、テキストに記入するのは解説の傍線と誤答のチェックのみです。実は当初において『解説の傍線に限って書き込みしていい』としたのですが、そうしたところ、間違えたり解らなかったりした問題が全くノータッチ、忘れられたかのような扱いを受けていたことが気になり、『間違えたり解らなかった問題に印!』としたのが始まりでした。これらを重ねていくと生徒さんは自分の傾向を掴むことができるようになります。従って学習計画を自分で立てられるまでになることができるのです。
漢字や単語のドリル系テキストの使い方も…最初は面食らいました。『来週までにここまで覚えてきて!』というと生徒さんは一様に1行書き取りをしているのです。もちろん、全く解らない新たな範囲だったり、そうやることで一番覚えられるという個性はあると思いますが、大多数の生徒さんはやり方を知らなかったのではないでしょうか。
一度や二度見たことのある単語や漢字が並んでいる場合はまずテストを行い、書けなかった(解らなかった)ものだけにチェックをして練習します。それを2~3日続ければ覚えられるのではないでしょうか。1日5~10分で十分です。むやみに書くことは必ずしも賢策ではありません
お子さんはいつの時代も新しいもの、きれいなものが好きです。問題集でも『買ったばかりで折り目一つない、ピンとしているもの』と『何度も解き直して少し汚れもついているもの』では前者に人気が集中してしまいます。中には『新しいテキストじゃなければやる気が起こらない』と言った生徒さんもいました。そうすると『間違えたところに印をして』『それをできるようになるまで解き直す』という行為は今のお子さんにはなかなか理解されない、支持されない方法かもしれません。しかし『勉強は効率を求める』ことからも覚えやすい方法、理解しやすい方法をとっていくことは大切なのではないかと思います。
そうして使い切ったテキストが3冊5冊と重ねられていくうちに学力が伸び、学習の方法を習得できるようになるのです。そういった意味ではクチャクチャになって汚れたテキストこそその生徒さんにとって唯一無二の教材になりえるのではないかと思っています。