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197 中学受験考 ~その①~

197 中学受験考 ~その①~

我々受験産業に携わるものにとって中学受験はさせるべきかどうか』という問い掛けは命題のようなものなのではないでしょうか。塾では中学受験を謳いながら自らの子は公立中学校・と言う学習塾関係者も少なくありません。幸か不幸か私には子供がいませんのでその判断に私見は申し上げるべきではないと思います。 

様々な見方が出来ると思うのです。ご家庭の価値観にもよります。ただ世の中の流れは私立中学校指向となってきているのも確かです。先日も『小学6年生は1月年明けから34割の児童が休むから・・・』と東京で小学校教員をやっている友達から愚痴を聞かされました。 

ただ、私がこれまで生徒さんを見てきた中で自信を持って言えることは『私立中学に入ったからエリートコースが確約されている』は全くのナンセンスだと言うことです。私立中学でトップ校に入ったもののそこで燃え尽きてしまった生徒さん、逆に中学入試で思った成果が出ずにそこで奮起して中学3年間を前向きに過ごした生徒さんでは3年間を過ごす意味が違ってくると思うのです。 

逆に『周りを見て皆が必死に取り組んでいるから自然と自分も“勉強しなくては”という意識を持てた』というケースもありました。これは環境が良い影響を及ぼした好例だと思います。確かに公立中学校ではこのような雰囲気、特に12年次には求められないと思います。反対に『伸び伸びとした学生時代を求めて・・・』とお考えのご家庭には公立中学校の方針がより近い考え方なのかと思います。 

また、今回の学校指導要領の改訂で英語教育が小学校でも行われるようになり・・・という点でも私立中学校のニーズが高まっています。公立中学校ではなかなか対応できない高度な学習についても私立中学校ではフレキシブルに対応することが可能だと思います。更には近年激変している大学受験への対応も有利になるのではないでしょうか。 

ただ、小欄43章でも述べていることですが、記念受験だけはお勧めしていません。記念受験とは本格的な対策などを行わず、お試し感覚・『合格すれば儲けもの』という感覚で受験することです。大学受験で多く見るケースですが、次に多いのは中学受験と言われています。 

中学受験はどうしても保護者様の意向で志望校や併願作戦を決定していくものとなります。お子様は決定事項に従って受験を進めるようになります。そうなった場合、『記念受験だから落ちても良い』とは絶対にならないのです。『受験に落ちた』という事実だけがお子様の胸の奥に傷となって残るのです。 

さらに記念受験で怖いことは合格“してしまう”場合にも起こります。それ相応の準備なしに進学した学校の授業、果たしてついて行けるでしょうか。実は個別指導の学習塾では中学受験に対するニーズの半分程の割合で『合格した私立中学校の授業について行けない』というご相談があります。もちろん、きちんとした受験体制を組んでしっかりと対策をした、と言うケースでも起こりうることですが、圧倒的に多いのは『合格“してしまった”』ケースです。このような案件に対してはまず学習習慣の構築からやり直さなければならないケースもあるのです。 

このような話を持ち出してしまうと『中学受験を否定するのか!』とお叱りを頂きそうですが、敢えてこのような現実もあることも踏まえてご家庭の方針をお決めになってはと思います。客観的な意見をご希望であれば教室までお気軽にご相談下さい。