column_archive_header_s
181 終わらない・・・

181 終わらない・・・

年明け、そろそろ学年末試験の準備をしなくてはならなくなる時期に中学2年生の生徒さんとこんな話をしました。

生徒さん 『先生、英数国と理科は1年生・2年生で終わらせるものがハッキリしているのに
     何で社会だけ歴史・地理って分けてゴールがハッキリしないの?』
私    『いや、ハッキリしていないわけじゃないんだよ。確かにやるべきところまで
     終わらない年度はすごく目立つけど・・・』

本来、中学社会は『1・2年で地歴、3年で公民』を完成させることが本来の姿でしたが、近年の『歴史的認識をより周知させるために』歴史の学習を中学3年生の4~7月期にまで延伸させました。歴史重視の考え方は日本という国をきちんと理解する上で必要なことであり、文化的側面からも重要なことです。しかし・・・

公民は旧来中学3年の1年間で学習しなければならない量中3の秋から受験までの間に完成させなければならなくなりました。学習しなければならない量は従来1年間でやっていたものとほぼ変わらないのです。これでは・・・終わるわけがありません。

進度の目安やシステムについては文部科学省の決定したことです。これに対して異を唱えてもあまり生産的ではありません。それならそれに対する準備を生徒さんにして貰う方が・・・遙かに意義があると思います。例年のことですが、学校の授業を当てにしていても中学3年生の年明け時点で公民の教科書が半分程しか終わらない、これは決して特殊な学校ではなくごく当たり前にあることなのです。

中学2年生の皆さん、あなたの学校では中学2年生が終わるまでに地理は完成していますか? そして歴史では明治維新までを完成させられていますか? もし終わらないようならきちんとした準備が出来ていますか? それらはきちんと自衛しなければならないのではありませんか?