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178 『1ヶ月』の過ごし方 ~後編~

178 『1ヶ月』の過ごし方 ~後編~

本章は177章より続けてご覧下さい。

普段から学習習慣を付けることは非常に大事なことです。しかしこれを実感するのは大抵試験前、試験が終わってしまえば元の木阿弥(一旦良くなったものが元の状態に戻ってしまうこと)となりがちです。だからこそ学習習慣をきちんと定着させることは難しいことなのです。

しかし、試験前になってそんなきれい事ばかりも言っていられません。何とか学習時間を確保してやらなければならないことを一つずつ片付けていかねばなりません。そうです、一番の難関は『時間を確保する』ことなのです。

学習習慣がきちんと定着していない生徒さんの多くが最初に上げる理由は『時間が無いから・・・』です。それでは時間が足りないという生徒さんだけ1日が20時間なのか、1週間が5日なのか・・・と言うことはあり得ません。皆等しく1日24時間・1週間は7日で168時間なのです。

話は少し逸れますが、以前生徒さんから『○○ちゃん(家が隣同士で塾への行き来は一緒に通っていた仲良しさん)とは一緒に帰りたくないなぁ』という話を聞きました。私が理由を尋ねるとヘリウムが何とかって言う歌を大声で歌いながら帰るから恥ずかしくって・・・』とのことでした。

私はその話に少し興味を持って○○ちゃんにその歌について聞いてみました。そうしたところ、『私は理科が、特に化学変化が苦手だからそれを暗記できる歌を作って歌いながら帰ったんだ。大声で歌うと覚えられるけど、ウチのお風呂でやったらお母さんに怒られたから・・・』とのことでした。

それを聞いた私は大笑いしてそれを告げてくれた生徒さん(一緒に帰りたくない、と言った生徒さん)に理由を伝えました。その日の帰りにはまた仲良く一緒に帰りました。次に来塾した日に尋ねたところ、『一緒に歌って帰った』そうです。

この生徒さんは時間の使い方が非常に上手で暗記事項は隙間時間だけで完成させていました。まぁ、夜中に自転車に乗りながら大声で歌って・・・と言うのはさすがに自制を求めましたが、取り組みとしては素晴らしい着眼点だと思うのです。

学習計画を立てるには相応の時間が必要ですが、必ずしもまとまった時間である必要はありません細切れでも隙間時間でも有効に活用することが大切だと思うのです。そして『隙間時間や細切れの時間でも出来る勉強』『しっかりと机に向かわなければ出来ない勉強』を仕分けして取り組んでいければ勉強の効率は格段に向上するのではないでしょうか。

その上で一番大切なことはこれを機にきちんとした学習習慣を身につけること、結局はこれに帰結するのです。しかし、現実問題として目の前の試験に必死に取り組むこと、全力を出し切ることも大切なことだと思うのです。