column_archive_header_s
154 小学英語 ~その2~

154 小学英語 ~その2~

この章は前の章から続いています。

2点目の問題点です。これは英語が小学校時代既に苦手になってしまう生徒さんに対しての問題です。現在は小学校でやった内容は中学入学時に一度リセットをして再度学び直す形を取っています。従って中学1年生では小学生で一度学習したアルファベットから学び直すのですが、今回の改訂で『小学校の続きを中学でやる』ようになってしまう点です。

上記の通り、小学校で700語前後の学習をすることが現在ほぼ決定していますので、中学校入学と同時にそれらを土台にして学習を進めていきます。そうなると『小学校の学習範囲で解らない箇所がある』となった生徒さんはそれ以降の英語学習が壊滅的になってしまうのです。

そうならないための対処は学習の早期着手が最善の手段だと思います。小学生の学習内容は小学生時代にきちんと終わらせることが最善の方法となってきます。万が一後手に回ってしまったら・・・これは従前お伝えしていることですが、正しい手順で遡上学習を行わねばなりません。このケースにおいて『魔法の杖』はなかなか見つかりません。

余談ですが・・・なぜか『小学校で習うこと』と『中学校で習うこと』が重複するような単元を苦手にする生徒さんが非常に目立ちます。代表的な単元として小学生の文章題『割合』『単位量あたりの大きさ』『速さ』が挙げられます。中学校ではこれらが単独の単元になるわけではないのですが、方程式や関数の問題として出された時に手こずる生徒さんが非常に多く見られます。

小学生の生徒さんに聞くと『クラスの半分ぐらいは解っていないみたい・・・』、中学生の生徒さんに聞くと『小学生の時にやっただろって言われて・・・』

決して学校批判をするわけではないのですが、小学校の先生としては『中学校でもう一度やるから』、中学校の先生の認識は『もう解っているはずの単元だから』となっているのではないでしょうか。

実は全く違う科目ですが、私自身が小学生の時にこれを口にされた先生がいらっしゃいました。この先生は歴史学習に熱心でした。熱心が度を超えてしまったのでしょう、地理の授業は時間数の関係で全く行いませんでした。そのことに対して一部から声が上がったのですが、その時先生は『地理は中学校に入ってからやるので今やる必要はない』と仰いました。

案の定、中学入学後の授業で社会科の先生は『ここは小学校で勉強したはずだから・・・』と授業内容をばっさりカットなさいました。他の同級生は解っていたようですが、小学校時に勉強をしていなかった私は『???』となり、しばらくは授業が全く解らなかった経験があります。

『自分でやる』ことを怠った私にも非はありますが、LS WILLに通う生徒さんにはこのような思いをさせずに済むよう授業管理を行わなくてはならないと思います。それにはある程度学校進度を度外視して学習を進めていくことも大切なことだと思います。

私は一時期社会が嫌いになりかけましたが、その後色々なきっかけや出会いを通じて苦手意識はなくなりました。今では一番好きな科目と言えるのは不思議なことです。でも本来は奇跡的な出会いや偶然がなくても着実に学習を進めれば済むことです。教室ではその当たり前を日々実践していきたいと思っています。