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124 頑張るって格好悪い!?

124 頑張るって格好悪い!?

『先生、試験の前だからって日曜とか試験日の朝に教室開けてまで勉強するのは…』と生徒さん。私がその理由を聞くと…

 『そんなに一生懸命やらなくても良いんじゃないかな…と思ってさ』『テストで点取れなくても…』どうやらこの生徒さん、少し諦めモードに入ってしまったようでした。

 諦めモードに入ってしまった生徒さんに対して『頑張ろうよ』とは言わず、『教室の他の人を見てごらん。』とだけ伝えて暫く様子を見ることにしました。恐らくその生徒さんは授業中ずっと葛藤していたのだと思います。

 その日はそのまま帰宅し、次の授業もいつにもなく神妙に取り組んでいました。そしてその日の帰り際に『やっぱり頑張ってみる。負けるのは悔しいし…』と宣言してくれました。

 日本の風潮として(多分にテレビ文化が大きいように感じますが…)では真摯に取り組む、一生懸命にやる、は敬遠されがちです。一生懸命やらない人やできなかった人が頑張っている人に対して茶化す風潮も見られます。でもこれに感化されて欲しくないといつもながら思っています。

 また、頑張ることを諦めた生徒さんに対して負の連鎖が起こってしまうことは恐ろしいことです。あまり良い使い方ではありませんが『朱に交われば赤くなる』という言葉もあります。

 これまで頑張っていても一回頑張ることを放棄してしまったら次のテストで真摯に取り組める保障はないと思っています。

 しかし、その状態を打開して『頑張りたい。でも頑張り方が分からない』と言うこともあるかと思います。そんな時にこんなことを意識したら良いのでは…と言うことを一つお話ししましょう。

 人間は何もないところを目指していくことに不安を覚えたり焦りを感じることがあります。だから日々小さな目標を設定することがその不安や焦りを解消することになるのです。

 『計算10問を10分で、100%の正答率を目指そう』『20個の漢字を15分で全て覚えよう』など本当に小さなところからスタートして良いのです。それらの積み重ねがあなたの実力になっていくのです

 また、ワークなど問題集を解く時にも『このページまでを○○分で解こう』と常に意識しましょう。自分がある程度解っている問題の場合は正答率にも目標を設定しましょう。ただ、『今日は○分勉強しよう』だと効果は低いようです。勉強時間ではなく勉強量に拘ることがポイントです。

 一生懸命取り組むことは非常に大事なことだと思います。それと同時に非常に難しいことです。だからこそそれを日々積み重ねられるようにその時その時に応じた目標を設定していくことは大切なことです。