column_archive_header_s
86 右顧左眄

86 右顧左眄

また難しい言葉シリーズですね。この言葉は『うこさべん』と読みます。『左眄右顧』と表されることもあります。この言葉そのものが書き問題として出されることは非常に稀だと思いますが、中学入試で右・左の箇所が空欄になって穴埋め問題の形式で出題されたことがありますので読み方と意味は覚えておいた方が良いのではないでしょうか。

『顧』は振り返って見ること、『眄』はきょろきょろすること。つまりきょろきょろと周りを見て迷うこと、さらには周りの情勢や意見に惑わされてなかなか決断できないことを指します。類義語に『首鼠両端(しゅそりょうたん)』『二股膏薬(ふたまたこうやく)』があります。

学習塾における生徒指導・進路指導にもこのようなことが見られるのではないでしょうか。私自身が日々学習の進め方の改訂を行う毎日です。『これが良い』と思って進めていることも情勢によっては変えていかなければなりません。
ただ…

『右顧左眄』となっているところは『手段の面』に限定されます。目的(LS WILLでは『三つの方針』としています)がぶれることは絶対に許されないことだと思っています。目的地にたどり着くための方法やルートはいくら変わっても良いのだと思います。同じ目的地に着くためなら生徒さんにとって『楽な方法』『歩きやすいルート』の方が良いからです。山登りに例えると『現在地から頂上まで、持っている装備で楽に上れるルートと方法』を絶えず示していくことが大切だと思います。

登山をしていれば準備してきた装備が壊れてしまうことも、反対に途中出会った他の登山者に役立つものを譲り受けることも、更には急激な天候変化に出くわすこともあります。その時に再度地図を見て最適なルートや登山方法を検討することは大切なことです。

塾における受験勉強においても同じです。入塾以降ずっと条件・状況が変わらないことはありません(部活動の引退、学校の授業進度や授業環境、成績の伸長・遅滞などたくさんの条件が挙げられます)従って絶えずそれらを見極めて方法・手段を改訂していくことが大切なのです。それを怠ってしまえばいらぬ労力を要し、最悪の場合には遭難する危険性もあるのです。これは個別指導塾において省いてはならない大切なことなのです。

しかし、これまでの方法を変えることは生徒さんにとってルーティンが変わるので暫くは面倒です。しかしその方が効果が上がるなら…やるべきだと思いませんか?