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80 進路指導 ~後悔はもちろんあります~

80 進路指導 ~後悔はもちろんあります~

平素ぽつぽつと卒業生が遊びに来てくれることがあります。元気な顔、悩んでいる様子、頑張りを誇示している様子など充実した学生生活を送ってくれているのが判るときはこちらも嬉しくなります。そして『先生に勧めて貰った○○高校に進んで良かった』と言ってくれるとホッとするのが本音です。

LS WILLは他の塾より進路指導に手間を掛けていると自負しています。学校情報や『このような将来図を描いている生徒さんには○○高校で勉強すると夢に近づける』という引き出しも多いと思います。また、県内に限らず都内・近県の私立中学・高等学校にもパイプがあるので幅広い提案が出来ると思っています。もちろん、日々の接点作りも意識しています。更にLS WILLには高校部の設置はありませんが、大学情報についても怠らず収集し、パイプを構築しています。卒業生の生徒さんはそれを目当てに来校するのですが…

また、私立中学・高等学校だけではなく、公立高校にもパイプがあるのは強みです。以前の生徒さんで公立高校の学校説明会の申込を中学校にするのを忘れて(千葉県の公立高校学校見学会は基本的に中学校経由でしか申し込めません)泣き付かれた時(しかも言ってきたのは説明会前日でした)、電話一本で解決できたときはさすがに安堵しました。その生徒さん、最終的にはその公立高校に進学し、現在は大学に通っています。だからその説明会に行くことが出来なかったら…と思うとゾッとします。

これだけのことを言えば『LS WILLって進路指導に間違いはないのか』とご指摘を頂きそうですが、私自身後悔している進路指導もいくつかあります。私立中学受験で第二・第三志望に合格し、結果的に第三志望の学校に進んだ件、これは中学卒業前にお母様が電話でポロッと『先生の勧めた方に行けば良かった』と仰って下さり、私がもっと推さなければいけなかった、推すべきだったと後悔しました。

また、進学した高校を卒業して暫くしてから知らされたこともありました。ご両親のご意見が合致しておらず、お母様とお父様が我が子に進ませたい進路が全く違っていたことがありました。この生徒さんは大学を選ぶ際、再三教室に足を運んでくれていました。そして大学入学を果たした際、『実は…』とご家庭における意見の不一致を教えて下さいました。

いずれの生徒さんも最終的には希望の大学に通うことが出来、充実した青春を過ごしているとのことなのでここに書けるのですが…

しかし、会社員時代に上司から教わったことは『進路指導は生徒の身になればなるほど、家庭内に踏み込めば踏み込むほど・斟酌すればするだけ間違えるものだ』と教わりました。確かにその通りです。ご家庭から出た志望校をそのまま受験校とすれば結果の如何を問わず塾としての間違いはゼロです。しかし…それでは塾の存在意義を問われます。私個人としてもやり甲斐は感じられないでしょう。

恐らくこれからも踏み込んだ進路指導は継続していきます。その時に軋轢を生んでも生徒さんの将来に役立つと確信できるならズカズカと踏み込んだ指導をしていきたいと思っています。