巷間には様々な勉強法を示した書物や情報があります。特に『○○な勉強法はダメだ! △△すれば誰でも成績は急上昇!』のようにショッキングな(65章も合わせてご覧下さい)文章が書店などでも非常に多く目に付きます。最近(でもありませんが)は『テキストに線を引く勉強法はダメ!』という言葉が個人的に引っかかっています。
よく議論になることですが、テキストの重要箇所に線を引くべきか否か皆さんの意見は分かれるところだと思います。最近では型破りな著名人が『線を引くことは却って暗記の妨げになる』とする意見を示していました。それに得心した、いわゆる尻馬的意見も多く見られます。しかし…
この意見は勉強の一面だけを捉えていて汎用性のない学力を重視(いわゆる『詰め込み学習』です)した結果だろうと思っています。線を引く作業をすることが勉強と勘違いしてしまうことが悪であるのに対し、線を引く行為が悪いと捉えられてしまう表現は問題です。
私個人の意見(それは教室の意見となりますが…)はマーカーの線引きを是とし、以下の根拠を示します。
① 重要箇所を認識できる…作業にならないように必ず2色以上の線を引く
② 重要箇所を意識しながら演習できる…基本演習では解説箇所(図や公式を含め)を見ながら演習することで定着が促進される。
③ 復習の円滑化・省時間化…見直すべき箇所がハッキリと分かっているのでそこだけを見れば復習が完成する。
④ 要点を押さえているか否か…教える側から見て生徒さんは注目して欲しい箇所を注目しているかどうかを確認する材料とすることが出来る。見落としだけが原因で正答を導き出せないなら回りくどい解説(これは生徒にとって大きな苦痛)をせずに要点だけ示せば済む。
しかし…これにも個人差や適性があって『こちらの生徒さんにはこうやって線を引くように指示し、あちらの生徒さんには反対の指示をする。その上でこの生徒さんには線を引かぬよう指導する』などの個別対応が生じます。仕方ないのです。個性という言葉で説明するなら『個性に合わせた指導』をする必要があるからです。場合によってはこの対応が生徒さんには『えこひいきしている…』と映ることがあるのは困りものですが。。。
この個別対応についてはどのように見分けたら…という質問を頂くことも少なくありません。しかしそれは敢えて文字化した外部告知をしていません。
その理由、まず一つ目は肌感覚によるものが少なからずあること、二つ目は少し言いにくいこと(成績状況や記憶力、処理能力などの優劣も含め)があること。従ってこれらについては教室における門外不出事項としています。ご希望の方は学習相談で引き出しの中身を披瀝いたしますのでお気軽にお問い合せください。