多くの方が塾は受験学年になってから…とお考えになっているのではないでしょうか。『部活動もあるから引退してからレバーを切り替えて塾に行けば良いのでは』とお考えになっているご家庭は多いと思います。しかし、それが正しい選択なのでしょうか。
部活動で特筆すべき活躍があって学校の部活動以外でもクラブチームなどに通う生徒さん、確かにこのようなケースではなかなか時間が取れないと思います。しかしここで考えて頂きたいのは『時間が空いているから勉強する・塾に行く』なのか、『時間をやりくりして勉強する時間・塾に行く時間を確保する』が正解なのかという点です。
『時間をやりくりして勉強する・塾に行く時間を確保する』生徒さんは受験直前になっても時間の使い方が効率的、と言う統計が出ています。私の皮膚感覚でも同様に感じます。これは部活動と塾を並行して進めてきたことだけが原因ではないように感じます。
私が勤務してきた学習塾は学年が異なっても同室で授業を受ける個別指導塾が主でした。その特徴の一つに他学年の動向を身近に見聞きすることが出来ることがあります。隣に受験生が座れば『私もボクも来年・再来年にはこんなに頑張らなくてはいけないのだな』という覚悟が自ずと芽生える点は大きなメリットです。特に受験直前期に真剣な様子で課題に取り組む姿を見ることは非常に貴重な経験です。そのような経験をした生徒さんは自身が受験直前になったときに『あの先輩もあれほど頑張っていたんだから自分も頑張ろう』と思い出せればこれほど心強いものはありません。一方、言葉だけで『誰もが同じ苦労をしている』と教えられた中3入会の生徒さん、では一番厳しい受験直前期に気持ちの上で大きな差が出てしまうのは致し方ないのではないでしょうか。その結果、時間の使い方にも差が生まれ、場合によっては受験結果にも差が出来てしまうのです。
更には受験学年になっての入会生は自分の限界値がとても低く設定しているように感じます。それは先輩方が頑張っていた姿を見ていないので起こる現象なのかと思います。
自分自身では『一杯一杯まで頑張っている』と思っていてもそれは平均値程度のこと…と言うことはよくある話です。
また、受験が全て終わった後に受験の感想を聞くと全ての生徒さんが『もっと早く勉強を始めれば良かった』という感想を持ちます。それは学習量に止まらず、計画性や気持ちの準備など総合しての素直な感想だと思います。
集団塾でも同様に受験生に対する掲示物が増え、注意事項も毎講義ごとに出されると緊張感が高まります。他学年の生徒はそれを敏感に感じ取り、何年後には自分が…と言う気持ちを育てるのではないでしょうか。
LS WILLでは在籍生の弟さん妹さんの入会を積極的に勧めています。それは営業ではなく、あくまで教務的観点に立ってのことなのです。
私の口癖ですが、受験や人生においてフライングスタートのペナルティはないと思います。早めの準備こそが受験という人生の大きな岐路を善処するのではないでしょうか。