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68 ご家庭の求める方向 塾の目指す方向

68 ご家庭の求める方向 塾の目指す方向

塾を探すにあたって、塾の方針とご家庭の方針が合致していることは非常に重要なことです。補習を専門に行っている学習塾に入ってトップ校を目指すことは無駄も非常に多く、難しいことです。反対に上位校を目指す方針で運営している塾に『勉強はほどほどでいい』として入会するのも様々なところにストレスを生じさせます。

また、当教室へのお問い合わせも『個別指導だから補習塾』とお考えになってご連絡をいただくケースが昨今増えています。斯様な場合、仮に入会されても長く続かないことが少なくないように思います。

LS WILLは『補習塾』『上位のみを目指す進学塾』どちらの立場も取っていません。ただし、勉強に臨む姿勢として真摯に懸命に取り組むことを求めます。それが結果的にワンランク上の志望校という結果になるのだと思います。

LS WILL入会前に比して勉強に対して真摯に真剣に、となればご家庭からのご理解も必須となります。宿題の量もほかの塾などに比べて格段に多いと思います。また、試験前や受験直前期などのスケジュールにおいても相当厳しく組んでいきます。それらを乗り越えることによって生徒さんそれぞれが未来を切り開く意義を理解していくのではないでしょうか。もちろん精神論ばかりではなく、実際にそれらをやり遂げなくては目の前の試験で願った結果を確実に出すことができないと双方で判断してのことです。

以前、テスト前の授業で宿題をやっておらずに注意された元生徒さんがいました。この元生徒さんは入会時に『程々の学習』を要望されていました(教室の方針にそぐわないことも伝達済みでした)。宿題をしていないことを注意されたことが面白くなかったようで帰宅後に『塾でやっているテスト対策は無駄。普段の授業も一向に進まない。』として当教室を退会(もちろん、『宿題を忘れたので叱られた』ことは伏せられていました。生徒さんの教室に対する評価を鵜呑みにしてしまう保護者様にも問題があるように感じますが…)して他の塾に移りました。しばらくするとその塾も辞めて…ということを繰り返したそうです。私はその後が気になっていたので同学年の生徒さんにそれとなくその後の進路動向を聞いたところ、最終的には塾に入らずに自力で受験し、進学した高校は面白くなかったようで高校1年の夏休み明けに退学したそうです。

なぜこの元生徒さんは高校を辞めてしまったのかを私なりに考えました。周りからもいくつか話が入ってきたのですが『行きたくて進学した高校ではなく、行けるから進学した高校だった。受験勉強を必死にやったわけでもないので少し嫌なことが起きると執着できなかった。だから最悪の選択をしてしまった。』と推論しました。

近年は以前ほど学歴が叫ばれる社会ではなくなっていると言われます。しかし『高校卒業』『専門学校卒業』『学士』『修士』『博士』と言った学習履歴は一生ついて回るものです。『生きるための資格』と言っても過言ではありません。それらは安易な気持ち、生半可な心構えで得ることはできません。だからこそ真剣になってつかみ取りに行ってほしいと思います。その準備として中学校生活を送っている時期までに『真剣に懸命に取り組むこと』ができるようになってほしいと心から思っています。LS WILLはこのような方針で教室を運営しています。

現在の教育環境(『脱ゆとり』とは言われていますが、現実的にはゆとり教育の延長上にある状況)を踏まえれば学校の勉強ができていることがゴールではないように思います。そのような状況下でご家庭の求める方向と塾の方針に齟齬(そご、食い違いのこと)があってはいけないと思います。