世の中に出回る事柄の全てはセンセーショナルでショッキングな言葉で埋め尽くされています。学習塾も例外ではありません。生徒募集広告から授業内容まで、度が過ぎるほど刺激の強い言葉を並べます。
世の中激辛ブームでそれが起因したせいか味覚麻痺が30年前の数倍になったと言われています。つまり、強すぎる刺激は感覚を麻痺させるのです。
それを言葉に置き換えるとどうでしょうか。
例えば量産されている日用品でも少し使い勝手が良いと『至高の一品』などと評されています。少なくとも『至高』という言葉は量産品に対して使うものではないと思います。つまり、コマーシャリズムが『購買層がよりセンセーショナルに感じるよう』過剰な表現をするのです。しかしそのような言葉ばかりに囲まれて育ってしまうと、言葉に愚鈍となるような気がしてなりません。
日本は本来、文学の国でした。色を表すにも様々な言葉を用います。同じ色でも季節が変わると表記が変わるなど風情豊かな言葉の国なのです。それらをきちんと理解して世界に発信すること、これも立派な国際人の育成だと思います。闇雲に強烈な言い回しばかりを振りかざすことが世の中の主流となっていますが、滋味深い言葉を味わう余裕も欲しいものです。