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57 長期休暇に中学1・2年生がしたいこと

57 長期休暇に中学1・2年生がしたいこと

夏休みのような長期休暇、ただ漫然と40日間を過ごしてしまってはあまりにもったいないと思います。それなら何かテーマを持って過ごしてみてはどうでしょうか。

① 読書
これは小欄でも繰り返し述べていることですが、じっくりと読書に取り組むことは非常に貴重なことです。実は中学1・2年生に限らず、小学生から高校生・大学生までやって欲しいことなのです。
一つは色々なことについての見聞を広めることが出来ることです。紀行文なら数百円で世界各国を巡る疑似体験が出来ます。時代物ならタイムスリップすることが出来るのではないでしょうか。普段は時間の制約の中でなかなか没頭できないものです。だからこそこの時間を有効に使うべきなのです。
もう一つは言うまでもなく読解力・語彙力の増強です。これについては割愛します。

② 中学1年生が重点的に行いたいこと
中学1年生は特に『正負の数』『文字と式』といった数学の基礎範囲をみっちりと見直し、確固たる基礎力を付けなければなりません。これは夏休み以降に行われる『一次方程式』や『比例・反比例』の基礎となります。従って『正負の数』『文字と式』が分からなければ夏休み明けの勉強は…お先真っ暗です。また、『正負の数』『文字と式』は2年生の『式の計算』以降にも直結します。言うなれば『1年生の4~6月学習範囲が分からなければ中学数学は全範囲が全く分からなくなる』と言って良いのです。だからこそ『まだ中学1年だから』という気持ちは払拭して欲しいのです。

③ 中学2年生が是非とも身につけたいところ
逆に中学2年生は英語に傾斜することをお勧めします。なぜなら中学2年の4~6月期英語は『過去時制』と『未来の文』を学習するからです。特に過去時制で不規則動詞は全ての生徒さんがいやがると言って良いほど厄介な箇所です。しかもそれらは2年生学年末から3年生にかけて学習する受動態、3年生の現在完了へと直結する内容なのでここを落とすわけにはいきません。また、時制という観点から見ると英語は語学なので全ての文に時制があります。だからこそ時制に対する感覚(現在形なら主語が3人称単数の場合は動詞に注意、過去形なら1・2人称と3人称が同じ形になる、未来形は…)を養わなければ本体文法(今後は『動名詞』『不定詞』…と学習が進みます)で正解でも時制で間違えて×…となってしまいます。それは『英語嫌い』を作る一番の近道と言っても過言ではありません。

④ 蛇足ながら中学3年生は…
もはや何も言うことはない、やるだけやらねばならぬ時期なのですが、一つだけご確認頂くべきかと思います。
中学3年生の学習については3年間の学習総括を始めると共に学校で9月から翌年3月まで7ヶ月かけて完成させる内容を遅くとも11~12月までには終わらせなければならないことを忘れてはなりません。
『受験は2月だからそれまでに終わらせれば』というご意見もよく頂くのですが、各論を終わらせるのに直前までかかってしまっては総合問題・融合問題・過去問などは出来ないのではないですか? それらを確実に終わらせ、尚且つそこで見つかった弱点や抜けている箇所を補強する時間も考えればぎっちりやる前提でも11月末までには学校教科書範囲は終わらせなければならないと思います。
特に学校で行う中3社会は…これは次の章で論じていきます。

夏休みは楽しみな時期です。しかしやらなければならないことが存在し、それを後回しにすることは出来ないのです。

本章は次章に続きますので併せてお読み頂ければ幸いです。