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53 図形が苦手…

53 図形が苦手…

算数・数学を苦手にしている生徒さんにどこが苦手かを問うと『図形…』という返事が返ってくることが少なくありません。確かに図形の性質はたくさんあります。それらを全て照合していく…となると大変な演習です。しかし実際はその問題に適用できるものは限られており、それらを順序よく組み合わせていけばさほど手間をかけるべき問題ではありません。

しかし図形を苦手としている人にとってその解説は不親切ですね。一つ一つの解法については教室でお話しするとして、解き方のコツをいくつか上げてみましょう。

【解っていることを図形に書き込む】
多くの問題では『与条件』が問題と共に出されます。与条件とは『直線mと直線nは平行である』とか『△ABCはAB=ACの二等辺三角形』など、問題を解くための条件です。
それらについて『あっ、そうなの』程度で流してはいけません。直線mと直線nが平行であれば同位角や錯角が等しいことを、△ABCはAB=ACであれば∠B=∠Cであることを問題の図中に書き込まなければなりません。
ただし、必要以上に書き込んでしまうと問題図がグチャグチャになってしまうのでその加減を見極めることも大切です。また、書き込みすぎたからと言って一気に消してしまうと最初の手数が無駄になってしまいます。ここは注意しなければなりません。

【解答を逆から考える】
例えば角度を求める問題、『∠Aを求めよ』となったときにこの角と関係性の深いもの(例えば三角形や平行四辺形を作っている、円周角と中心角の関係である、平行線上にある角である、等)を見つけられればこの問題は8割方解けたと言っても過言ではありません。問題図の大枠を見てから使う図形の定義を紐解けば自ずと解けてくることがあります。

【補助線を引く】
補助線は次のケースに大別されます。
・線分の延長線
・平行線
・線分や角の二等分線
補助線を引く問題では与条件の書き込みより先に補助線から取りかかった方が円滑に進められる問題が多いようです。特に中学3年生の相似に出てくる『平行線と線分の比』では手順が逆になると問題の難易度そのものが変わってくるほどの問題がありますので注意しましょう。

よく『図形問題はセンス』とまことしやかに語られます。しかし出題意図をきちんと把握すればさほど間違えるものではありません。それにはある程度の問題量をこなすこと、そして苦手意識のある問題の類題演習も必要になってくるのです。