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52 途中式

52 途中式

算数・数学の計算において途中式は書くべき?との問い掛けがあったらほぼ100%に近い人が『Yes』と答えるのではないでしょうか。学校の授業でも『書かないと×にするよ』と先生に釘を刺された人も少なくないでしょう。
一定量の式が解答用紙に記載されていれば部分点を取れる可能性もあります。更に見当外れの答えが出た場合は見直す材料にもなります。

では、途中式はどのような観点で書けば良いのでしょうか。これにはなかなか正解も見当たらず、様々な意見も出ています。よってここで記していることはLS WILLの考え方・スタンスとして進めていきます。

【暗算は行わない】
ここで言う『暗算』はなかなか定義が難しいのですが、頭の中に出てくる式はまず紙面に転載することが重要です。一次方程式で『7a-8=6』という式を慣れない状態で解く場合、一気に計算しようという欲は捨てましょう。移項は移項、両辺を7で割るのはまた一手間とした方が結果的には円滑です。
7a=6+8 ⇒ 7a=14 … ここまでが『移項』の手順です。2式を要しました。
7a÷7=14÷7 ⇒ a=2 … この2式が『両辺を7で割る』手順です。これで解が出ました。
一見すると『めんどくさっ!』と生徒さんに言われそうな程回りくどいのですが、ここまでやれば間違える要素はなくなるのではないでしょうか。『48 夏休みにやっておくべきこと』で分数の約分間違いが高校受験生でも見られることに触れましたが、こういった間違いを撲滅することが狙いなのです。

【詰めて書かない】
これは試験テクニックと言うより、普段の演習において心掛けて欲しいことです。『13 最近の小中学生は…』で触れたことですが、ノートに計算する際、ぎっちりと詰めて書いてしまうと間違えた箇所の訂正が出来なくなります。『消しゴムで消せば…』というご提案を頂くこともありますが、基本的に算数や数学の計算は消しゴムを使わずに赤ペン修正すべなのです。なぜこんなに便利な文明の産物を使わないのでしょうか。消しゴムは『間違えた箇所を消す』と共に『間違えた記憶も合わせて消してしまう』からなのです。
折に付け見直しについて触れていますが、この赤ペンこそが『私の僕の間違えやすい箇所』つまり重点学習箇所・要注意箇所になるのです。特に定期テスト前など時間がたって見直したとき、消しゴムで消してしまえばその記憶はきれいに消えています。それは定期テストでも受験でも本番に臨む際に役に立たなくなってしまいます。

二点ほど上げましたが、総じて言えることは『算数・数学が得意な人ほど途中式が長い』ことです。反対に苦手意識が強い人ほど手が動かずに暗算で解こうとする、従って途中式が短い・ない状態です。算数・数学の計算に苦手意識を持っている方は試してみても良いのではないでしょうか。