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44 節句働き

44 節句働き

今年(2017年度)のこてはし台中学校は6月7日(水)に前期中間試験が行われます。毎年毎年、そして毎回毎回の試験前はどの生徒さんも必死に勉強しています。この光景に対して以前生徒さんがこんな質問をしてきました。
生徒さん 『試験前だからってみんな必死になっているけど、普段からやっている人はこんなに必死にならずに余裕の表情でやっているの??』
私    『普段あまりやらない人は必死にならなくてはいけないけど、普段からきちんとやっている人も必死になっていると思うよ。』
生徒さん 『そうかぁ…それじゃ普段から必死になってやっても損だね。試験前はみんな必死になる訳だし…。』
私    『それじゃあ、次回のテストからそういう計画にしようか??(笑)』
生徒さん 『 … 』

確かに生徒さんの言葉は正しいように感じますが、普段からコツコツやっていくことが試験前の頑張りを加速させる訳ですから…要は『あまり勉強したくない…』という気持ちの裏返しだと理解できます。

生徒さんとの会話の続きです。
私    『普段からきちんとやっている人は高い目標を掲げている場合が多いからやっぱり試験前まで頑張らなくてはならないんだ。80点取れる力がついていて90点100点を目指しているからじゃないかな。』
生徒さん 『それじゃ目標は高く、普段の勉強はエコな場合は…?』
私    『目標って立てるだけっていうのが一番ダメだと思うな。立てたら必ずクリアしなきゃ!』
生徒さん 『そうか、それなら今回のテストはそこから直していこう!』

この生徒さん、この時の定期試験で見事自己最高点を更新しました。それにもかかわらず『目標点に届かなかった』と悔しそうな顔をしていました。

表題の『節句働き』は『怠け者の節句働き』とも著わされます。普段サボっている人は皆が休む節句に働かなくてはならなくなるという意味です。お節句でみんなが浮かれているような日に働きたくありませんよね? だからこそ日常はきちんと過ごさなければならないのです。中学生高校生にとってのお節句は『試験明け』なのではないでしょうか。試験が終わった最初の週末にレポートやプリントはやりたくないのではありませんか? そんな時に勉強している人こそが『節句働き』なのではないでしょうか。

実はこの言葉、私が恩師と雑談をしている中で出てきた言葉でした。もう数十年前の話ですが、私にとっては衝撃的な言葉でした。
今でも心の中で自らを戒める言葉です。