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999 盲学校にて

999 盲学校にて

ゴールデンウィーク期間、私の自宅から程近くにある盲学校の先生とお会いする機会がありました。学習塾運営を行っていてもなかなか会う機会のない世界の方という認識でした。

お会い下さった先生、先天的に目が不自由だとのことだそうです。それゆえ、光あふれる世界を全く知らずに過ごしてこられました。先生いわく、初めから見えないのでこれが当たり前不便さは感じないとのことでした。

先生の自然な語り口と穏やかな表情に私は魅了されました。先生は『見えないから気負う必要がないので。。。』とはにかんでいらっしゃいましたが、肩の力を抜いた姿勢に先生の大きさを感じました。

思えば私の師父も晩年は糖尿病で目が不自由になりました。師父は『年を重ねてから目を患ったので何かと不便だ』と漏らしていました。私は出不精になりがちな師父の手を引いてドライブに行くなどしていましたが。。。

盲学校の先生はハツラツとしていました。本当に目が不自由なのかと疑うほどでした。そして思いもよらぬご指摘を頂きました。

『あなたは姿勢が良くありませんね!?』とのこと。何度も言いますがお会いした先生は目が不自由なのです。普通に考えれば分かるわけがないのです。それを端的に言い当てられ、私は顔色を変えるほど驚きました。

先生いわく、悪い姿勢で発した声はくぐもって聞こえるそうです。また、声の出所がだんだん低くなるので姿勢が悪いことに気付けるそうです。いや、それでもびっくりします。ものすごいことだと思います。

ご指導いただいて気付いたのですが、先生は最初から変わらぬ姿勢で座っていらっしゃいました。これはいつ誰に見られても見苦しくないよう常日頃から気をつけているとのことでした。

目の見える我々はつい『人目があるときは…』『人目がない時は…』裏表を作りがちです。しかし本来は人目があってもなくてもきちんとしたほうがいい、それを改めて痛感しました。

私は裏表のある人間です。それを良い意味に解釈することは出来ますが、出来ればない方が良い。そんなことを教えていただいた時間でした。

 

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